現地レポート

ケニアレポート -人々の生活とHIV/エイズ-

わたしたちが母子感染予防啓発活動を行っているケニア共和国ニャンザ州ウゲニャ県について、
今日はご紹介します。(※)

まずは、人々の様子。
県が出している開発計画によると、ウゲニャ県の6割ほどの住民は農業に携わっています。

マーケットでは農作物が売られています。手前に見える袋に入った緑の野菜がスクマビキです。

トウモロコシや豆類、サツマイモやトマトなど日本でもおなじみの食材から、
メイズやキャツサバ、スクマビキなど様々な農作物を育てています。

彼女はトウモロコシを育てている。自慢の畑をみせてくれました。

また鶏や牛、豚、ヤギなどの家畜を飼育している住民も多いです。

道端にヤギがいることも少なくありません。

しかし、決して農業によって生活が安定しているとは言えません。
農村地帯の約58%が1日1ドル以下で生活する絶対的貧困層と言われており、
厳しい経済状況にあります。

そして、気になるのはHIV/エイズの状況。
実は、この地域はケニアの中でもHIV感染率が非常に高いのです。
ケニア全体でHIV感染率が約8.3%なのに比べて、
この県はなんと38.4%…。

このようにHIV/エイズの状況が、この地域で深刻化している背景には、
一夫多妻制度や人の往来が多いという地理的な要因、
それにともなう売買惷の存在などが指摘されています。

ウゲニャ県ウクワラ郡のウクワラヘルスセンター。HIV検査、治療薬の処方も行う。

また、エイズ啓発活動を行っていると、こんな声も耳にします。

「エイズは悪魔のしわざ」
「エイズはよくない行いをする人への天罰」

HIV/エイズの正しい知識がまだ知られていないという現状が
事態をより深刻にしています。

私たちは、HIV/エイズ、そしてその中でも母子感染予防について、
地域住民に知らせるべく、地域で啓発リーダーを育成しています。
啓発リーダーたちは、プラスの研修後、地域で啓発活動を行っています。

啓発リーダーが病院で、検診に来たお母さんたちにエイズや母子感染予防について教えている様子。

この啓発リーダーたちの活躍ぶりを、次回はお伝えします!

※ウゲニャ県は旧シアヤ県に位置しておりデータは旧シアヤ県の2002年-2008年開発計画より引用。

(文責:門田瑠衣子)

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