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【Weekly News/2007-09-12】南アフリカ:不幸にくじけぬエイズ孤児

ナティが12歳の時、父親がエイズで他界した。
母親と兄はそれぞれ職探しに出て行ったっきり戻ってこない。
その結果、ナティが10歳の妹、8歳の弟の世話をすることになり、スワジランド、モザンビーク両国と国境を接する経済的に荒れ果てた地域での自立を迫られた。
親戚に預けられていた3人の弟妹も半年後には家に帰された。

「当時、私はまだ学生でしたから、帰宅後は近所の家畜の世話や庭の手入れなどをして月に200〜300ランド($27〜$42)のお金を稼いでいました」
とナティは語る。
毎日を食い繋ぐ生活が続くこと約2年、彼は地域で行われていた孤児の保護活動を知った。
増え続けるエイズ孤児対策として、イギリス人医師が2000年に始めたプロジェクトだった。
この活動に救われ、ナティと弟妹たちは食に困ることはなくなり、同じような環境に置かれている他の孤児たちと悩みを分かち合う場を得ることができた。

2002年、活動での孤児の代表にナティが選ばれ、ケープタウンで行われた会議に参加、翌年には大学に進学し、ボランティアとしてプロジェクトに参加、2005年には活動センターの責任者となった。
「時には私がいたような環境の家庭に食料を分配しに行くことがあります。この地域にはまだエイズ孤児が多くいますし、彼らのために働くことができ、とてもうれしく思っています」
と、ナティは活動への思いを口にした。

現在、この活動は600人のエイズ孤児を保護し、その9割がエイズ関連症候群に苦しむ1200人の患者を支援している。
保護活動に従事している中で、ナティはコンピュータ技術に魅せられ、活動の支援を受けてウェブデザインなどを学んだ。
現在では保護活動に参加する傍ら、文具店を改装し、インターネットカフェを経営することを目指している。
ナティは弟妹たちを現在でも支援し続けている。
また、職探しに行き、去年帰郷した兄にも経済的支援をしている。
「昨年、ずっと手紙を送り続けていた母からも連絡がありました。過去はもう忘れているから、早く帰ってきてほしい」
と、ナティは当時から変わらぬ母への思いを語った。

原題:Orphan turns the table on misfortune
日付: 23 July 2007
出典: www.health-e.org.za

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