サバンナ・サンライズ・クリニック(SAS)がウガンダでのHIV感染率を1%以下に低下させることを目的としたカリキュラムを新たに盛り込んだ「教育で免疫性を与える戦略」(IBES)をスタートした。
現在まで、カンパラにある36の小学校から、1万8千人の児童がIBESが適用された教育を受けている。
「ABC戦略(禁欲、誠実、コンドーム使用)は性的に活発な時期にある成人の行動を対象とした戦略でした。今必要とされているのは、子どもを対象とした戦略。IBESによって、今後10年でHIV感染率を現在の6.4%から1%以下に低下させることができるでしょう。」
こう語るのはIBESを考案し、SAS財団の創設者でもあるムフムザ医師。
IBESは生後6ヶ月から14歳の子どもたちを対象としており、通常の小学校教育課程と並行して行われる形で、生活に必要な主体性、目標設定、チームワーク、リーダーシップ、コミュニケーション力などが養えるカリキュラムが組まれている。
親や保護者もカリキュラムに参加可能な形式を取っている。
子どもは定期的にアンケート質問事項を家に持ち帰り、それぞれの項目を親と相談しながら記入することになっており、そうすることで親が性教育を行いやすい環境を作るためだという。
「子どもは仲間からの影響で危険な性行動を起こしてしまうことがあります。そこでIBESは、純潔であることや安全なセックスといった、ポジティブな考えを同年代で共有し得るような世代を送り出すことを目指しているのです。そして、このような世代によって、子ども達が麻薬やアルコール、セックスなどから遠ざけることができるのではないでしょうか」
と、SAS財団の重役であるルバイザ師は語る。
保健省によれば、年齢が15歳に達するまでに、15%の若者が性交渉を持つという。
また、エイズ啓発が盛んに行われているウガンダであるが、実情としては30%の若者しかHIV/AIDSの認識を持っていない。
子どものHIV感染の大半が母子感染によるものだ。
そして、200万人の子どもがエイズで両親を失い孤児になっており、貧困によって食事も教育も満足に与えられない現状がある。
原題: New School Curriculum to Fight Aids Launched
日付: Octoboer 30, 2007
出典: New Vision
URL : http://allafrica.com/stories/200710310033.html