PLASの現地活動

2009年春ケニアワークキャンプ報告

2009年3月8日から24日までの17日間、ケニア共和国シアヤ県ウクワラ郡マシワ小学校にて、第3回ケニアワークキャンプを開催しました。今回は、07年末の選挙後の混乱後初めてのワークキャンプの実施となりましたが、地域の方々は温かく参加者を迎えてくれました。
今回のワークは、3月末の雨季に向けた農作業の補助、そしてHIV/AIDS予防啓発ワークショップの実施です。
農作業の補助では、学校の担当の先生の指導のもと、農地を耕し、苗床にスクマウィキというケール系の野菜や玉ねぎなどの種を植えました。収穫された農作物は、エイズ孤児たちの制服などの学費に充てられる予定です。普段、日本の生活の中で農作業などすることなどない参加者にとって、早起きをして汗を流して土に触ることは、大変ではありましたが、2週間かけて耕した農地を振り返った時には達成感もありました。
また、ワークショップは、マシワ小学校周辺に住む地域住民約100人をターゲットに、地域でのHIV/AIDSに対する差別や偏見を解消するために実施しました。HIV/AIDSに関するワークショップであると広報してしまうと、差別や偏見を恐れて人が集まらないということもあり、日本人の行うエンターテイメントやコーラの早飲み競争などのプログラムを組み、チラシの配布など、時間をかけて準備を進めました。準備の甲斐があり、当日は予想を上回る約300人の参加者を迎え、大賑わいとなりました。
日本人のエンターテイメントの間にはHIV/AIDSに関するレクチャーや地域団体による劇を観客の方が引けを感じることなくHIV/AIDSに関する情報にアクセスする機会を提供することができました。ワークショップ後のアンケートでは、「もっとHIV/AIDSについて知りたい」「感染経路など知らなかったことがわかった」などの意見をいただき、今後もウクワラ地域で活動していくことの意義を実感しました。
ワークショップの最後には、日本で行ったチャリティーフットサル大会との連携で、サッカー大会を開催しました。国境や年齢を超え、子どもたちと一緒になってサッカーを楽しむことができました。貧しくても、裸足で駆け回る子どもたちから、サッカーの本当の楽しさに気付かされたという参加者もいました。
その他にも、ワークキャンプ中は、子どもたちへの文化紹介、スポーツを通した交流や、地域の家庭訪問などを実施しました。子どもたちや地域の大人との交流を通し、参加者それぞれが感じることが多かったようです。
今回のワークキャンプは、2週間という短い時間で、できることは限られており、自分たちの力の小ささを痛感しました。しかし、アフリカという地で自らを振り返り、自分に何ができるのか、考える機会になったようです。
また、アフリカの子どもたちの無垢な優しさなどから、気づかされることも多々あったようです。貧しさの中でも、笑顔で毎日夢を持って生きている子どもたちのために、日本に帰って自分たちができることをしていきたいという決心をもって今回の参加者たちは帰ってきました。「夢のような経験だった」のではなく、現在進行中の現実としてアフリカで見てきたこと、感じたこと、学んだことを多くの人に伝えることができればと考えています。
最後に本事業にあたり、多くの方からのご支援、ご協力を承ったことを、ここに厚く御礼申し上げます。
今後もエイズ孤児たちが笑顔で過ごせる社会を目指してまい進していきたいと思いますので、今後とも応援よろしくお願いいたします。
(文責:2009年春ケニアワークキャンプリーダー 服部薫)