女性問題・社会開発省、ユニセフ、米国国際開発庁(USAID)が2006年から2008年にわたり行った合同調査で、国内における孤児と弱い立場にある子どもたち(OVC)はおよそ1750万人存在するということが分かった。これはナイジェリア全人口の約25%にあたる数字である。OVCとは、育児放棄された子ども、ストリートチルドレン、またエイズで親を亡くした孤児などが含まれる。
過去数年間、ナイジェリア政府は社会的に弱い立場にいる子ども救済への取り組みが減少しており、未だ実行に移されないままでいるプログラムがいくつもある。ほとんどの街でストリートチルドレンが増加している状況からも、1750万人という数字はむしろ少なく見積もっての数字ではないだろうか。
この現状を招いたのは政府だけではなく、子ども達を守るべき親たちの責任もある。自分の子どもであるにもかかわらず育児を放棄し、後は生きるも死ぬも子ども達次第という親が少なからず存在していることもばかげている。都市部に住む縁者は時折地方に赴き、こういった子ども達を拾っては自宅の雑用係にされることが多いという。
国家人身売買及び関連問題防止機関(NAPTIP)の資料では、最近の社会経済の影響もあり児童売買で地方から都市部へ来る子どもが急増している。都市部へ来た子ども達は過酷な児童労働や虐待に晒されることもあり、教育や十分な食事からも遠ざけられているという。追い打ちをかけるようにHIV/AIDSの流行も多くのエイズ孤児を遺し、貧困や搾取、排斥に苦しむ子どもを増やしている。
現在、国内の子どもの多数は基本的な教育、十分なプライマリーヘルスケア、バランスのとれた食事、そして安心できる住居を欠いている。現状では達成が難しいミレニアム開発目標を政府が達成するには全ての面において子ども、特に社会経済の影響などから孤児になった子どもの安全を守ることを第一の優先事項にするべきである。子ども達を守ることが、これからの様々な障壁を乗り越えられる次の世代を生む唯一の道であると確信している。
原題: Saving the Nigerian orphan
日付: June 19, 2009
出典: Daily Trust
URL : http://www.news.dailytrust.com/index.php?option=com_content&view=article&id=1428:saving-the-nigerian-orphan&catid=54:editorial&Itemid=146