PLASが、ウガンダでのパートナー団体カユンガと共同で行っている事業に「HIV陽性者家庭の生計向上・栄養改善のための在来種野菜栽培支援」があります。
通称SHINEと呼ばれているこの事業は、この土地で昔から育てられてきた、乾燥に強い在来種野菜を組み合わせることで、安定した生計を立てられるよう支援をするものです。
前回の記事では第1期のプロジェクト参加者達のその後の暮らしをヒアリングしました。
今回も引き続き、農業プロジェクトの参加者達がプログラムを通してどう変わっていったのかをご紹介します!
30匹の養鶏を始めました!
マディナさんの家のある付近は岩が多く、スペースがあっても農業をすることが出来ません。以前はグループで農業をしていましたが、現在はグループ農業は辞めています。
代わりに家で養鶏をやっていて、訪問時は30匹程のニワトリを飼育していました。また、友人に教わってマット作りも始めたそうです。
現在マディナさんは独り暮らしで、子どもたちは首都のカンパラで働いています。学校が休みの時に、孫を連れて帰省してきますが、病気をしたときなどは、近所の人に助けをお願いすることもあるそうです。
ウガンダは核家族化が急速に進んでいて、高齢者が一人で住んでいることも多くなってきました。また、共働きであったり地元を離れて都会で働くために、孫を田舎の祖母に預けていることが多く、祖母が保護者として、(学費の支払いなども含めて)子育てに大きな役割を担っています。
キオスクで日用品販売も!
ハディジャさんは現在も農地を借りて農業を続けていて、メイズ(とうもろこし)や豆を植えています。クマウィキ(ほうれん草のような野菜)も育てていたそうですが、雨が降らないため枯れてしまいました。
農業だけでなく、ハディジャさんは家の横にキオスク(売店)を持っていて、そこで生活品を販売しています。
ハディジャさんは現在も農地を借りて農業を続けていて、メイズ(とうもろこし)や豆を植えています。クマウィキ(ほうれん草のような野菜)も育てていたそうですが、雨が降らないため枯れてしまいました。
農業だけでなく、ハディジャさんは家の横にキオスク(売店)を持っていて、そこで生活品を販売しています。
前回の貯蓄は子ども達の学費に使い、3カ月後に再び貯まる予定の貯蓄も学費や学校に必要な用品を買うことにしているそうです。
野菜の収益でヤギを購入!
シルヴィア(写真真ん中)は水道を持っているので、雨の少ない時期の訪問ではありましたが農業を行っていました。
畑にはEntula(アフリカの茄子)、スクマウィキ(ほうれん草のような野菜)、トマト等が植えられていて、きれいにラインを作り、効率的に複数の野菜達が植えられていました。
この地域では虫が流行っているようで、PLASではオーガニック農業を進めてはいますが、その虫は対処が出来ないということで農薬をまいているそうです。
この件については、研修の講師もお願いしている農業職員と相談予定です。
収穫した野菜は自分たちで食べる以外にも、近所の人にも販売し、その収益でヤギを一頭購入していました。メスヤギで現在は妊娠しているということです。
農業をきっかけに新しいビジネスも
2回に渡り農業プロジェクトの1期生達のその後のヒアリングの様子をお届けしてきましたが、全体として、土地を持っている人は農業を続けていますが、持っていない人は借りてまで農業を続けているという人は少数でした。
近くに土地がないと管理したり、水あげするのも一苦労ですし、借りている土地代を払えるくらいに利益は出ますが、養鶏やキオスクの経営など他のビジネスの方が体力的に負担がないからかもしれません。
しかし、ほとんどの参加者達が2年間の農業プロジェクトを通して増えた収入で、ヤギを購入したり、新しいビジネスを始めていることがわかりました。
カユンガは、比較的都市エリアなので農作が出来るほど大きな土地を持っている人が少ないという事情もあり、それほどスペースが必要ではない家畜にシフトしていくのは、自然な流れかもしれないという印象を受けました。
畑の耕し方から種のまき方、水揚げの仕方など研修の中で農作業に必要な知識はすべて伝えてあり、また参加者達には農具も配布しているので、引き続き栄養の面でも農業を続けて欲しいという気持ちはあります。
ですが、このプロジェクトの趣旨は安定した収入を得て貯蓄が出来るようになることで、子ども達の学費を払ったり、ビジネスを大きくしていくことを目指しているので、本人達が続けたいビジネスではないと、継続的な生活の安定は手に入らないとも考えています。
HIVケアや栄養研修はこれからも!
SHINE第1期のプロジェクトが終了したとはいっても、参加者には引き続き栄養やHIVケアに関する研修は定期的に開催していく予定です。
2年間で農業を通して増えた収入、そして定期的な貯蓄活動をすることで、子ども達の学費を払ったり、定期的な通院と治療代にしたり、もしくは家畜を飼ったり、ビジネスを大きくできたりする未来をこれからもどんどん広げていきます!
新型コロナウイルスの影響は・・・
HIV陽性者家庭の生計向上・栄養改善のための在来種野菜栽培支援は、一部のサイトで中断していると前回報告していましたが、現在、全5サイトで実施できるようになりました!
3~5月の大雨季が終了しかけていますが、今年は雨量が多く、6月も在来野菜を植え、収獲ができています。受益者が集まりグループで貯蓄するため等の集会は引き続き自粛をしています。
<緊急支援の状況>
HIV陽性者50世帯に食糧と石鹸を配布しました!
クラウドファンディングの支援募集終了以降も、さまざまな寄付や助成金などより支援を募り、活動を広げていく準備を行っています。
是非、継続的に活動を応援、支援してくださる方がいらっしゃいましたら、PLASのマンスリーサポーターをご検討いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。