PLASが手掛けるプロジェクトの一つであるFLOWER(生計向上とキャリアプランニング支援事業)。FLOWER事業は、HIVの影響などで経済的余裕がなく、教育について適切に情報にアクセスできない家庭を支援しています。
在来種野菜と樹木を組み合わせた農業で生計向上に取り組み、カウンセリングを通じて子どもたちがキャリア・ライフプランニングを行えるように保護者と子どもに働きかけを行っています。
前回のレポートでは、カウンセラー7名に仕事のやりがいや、難しさについてインタビューをしました。今回はカウンセラーのヒラリーさんとトビアスさんに同行し、カウンセリングの内容や効果について参加者に感想を聞いてきました!
トビアスさんとヒラリーさんの語った仕事のやりがいはこちらから
アイリーンさん 「子どもがルールを守るようになりました。」
アイリーンさんは、夫を11年前に病気で亡くしました。炭やマンダジ(ドーナツのようなお菓子)、育てた野菜を売るなどの小さなビジネスをやりながら、3人の子どもを育てています。
長男(19)と長女は(16)は地元を離れてそれぞれセカンダリースクール(日本でいう中・高校にあたる)に通っているため、カウンセリングは次男のアラン君(プライマリースクール7年生)と参加しています。
ー今日のカウンセリングではどんな話をしましたか??
お金のこと、子どものこと、学校のことを話ました。
ーカウンセリングはどうでしたか?
とても良かったです。準備ができたら小さなクワをもらえると聞きました。
クワで畑を耕して野菜(玉ねぎ、バナナ)を作りそれを市場で売れば、子どもの教育費が捻出できるようになります。
ーカウンセリングを受けてご自身とアラン君に変化はありますか?
アランは以前遊びすぎていましたが、(カウンセリングを受けて)母親としてきちんと話すと反省するようになりました。
規則やルールについてもしっかり守るようになりました。
パメラさん「子どもと宿題を分け合いっこするんです。」
パメラさんは女の子3人、男の子2人を育てています。このうちクリスティーンちゃんがパメラさんと一緒にFLOWER事業に参加しています。
ー今日のカウンセリングではどんな話をしましたか??
学校のことや、学費について話しました。
ーカウンセリングを受けてご自身とクリスティーンちゃんに変化はありますか?
キャリアガイダンスとカウンセリングを受けるようになってから、宿題について話してくれるようになりました。たまに宿題を「分け合いっこ」したりもします。一緒に問題を考えるようになり、親子関係も良好になりました。
宿題を計画性をもって取り組むようになったので、自由時間も増えたため、無理のない範囲で家事を手伝ってもらっています。
モリナさん「子どもとの対話が大切だと知りました。」
モリナさんは女の子2人(16歳、12歳)、男の子1人(14歳)のお母さんです。子どもは3人ともモリナさんと一緒に暮らしていますが、カウンセリングを受けているのは次女のエミリアちゃんです。
ー今日のカウンセリングではどんな話をしましたか??
セカンダリースクールへの進学時の問題点(入学に必要とされる点数、奨学金など)について特によく話しました。
ーカウンセリングを受けてご自身とエミリアちゃんに変化はありますか?
カウンセリング開始後の変化として、エミリアだけでなくほかの二人の子どもともうまくコミュニケーションが取れるようになりました。学校であったことや、日常の小さな問題を家族間でシェアすることができていると思います。
エミリアは将来医者になりたいといっているのですが、楽観的過ぎることを心配しています。もっとしっかり勉強しないといけないと・・・。
ーもしここにエミリアちゃんがいればどうアドバイスしますか?
怒ったり怒鳴ったりするのではなく、(カウンセリングで学んだように)子どもと対話します。「あなたはものすごく一生懸命努力しなければならない。知識をたくさん身につけるために」ということを伝えます。
※ケニアではセカンダリースクールでAをとれれば大学の医学部に4年通い医師になる流れだが、セカンダリースクールで成績が満たなければDiplomaに3年通ったあと、大学(4年)に入学することになるので合計7年が必要になる。
リンネットさん「数学の成績が倍になりました。」
リンネットさんは5人の子どもを育てながら売店を経営しています。 カウンセリングに参加しているのはアフラインちゃんです。
ーカウンセリングを受けてご自身とアフラインちゃんに変化はありますか?
カウンセリングセッションが始まって、コミュニケーションがとりやすくなりました。また、アフラインの数学の成績が30%のテスト正答率だったのが60%まで上がりました。叱らずに励ますように接するようになったからかもしれません。今は英語とスワヒリ語も頑張るように励ましています。
規律などをよく守るようになり、子どもたちに良い変化があるため大変ありがたいです。
カウンセリングを通じて、「怒鳴ったり叱ったりするのではなく子ども達と”対話”を意識するようになった」という声が多くあり嬉しく思います。結果的に、宿題をやるようになったり成績があがったり、子ども達の未来につながるような変化をこれからもカウンセリングを通じて届けて参ります。
こうした活動が出来るのは日本の皆様の温かい支援のおかげです。
継続的に活動を応援、支援してくださる方がいらっしゃいましたら、PLASのマンスリーサポーターをご検討いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。