みなさん、こんにちは!事務局長の小島です。
3月6日にPLASの事務局スタッフ全員でシステムコーチングを行いました。
今回は、こちらの様子についてお伝えします!
システムコーチングとは?
システムコーチングとは、2人以上の関係性を、1つのシステムとみなし、その課題解決・目標達成に向けて、「関係性」をコーチングする組織開発の手法。システムとは、「共通の目的を持ち、相互に影響を与えあっている関係性」のことを指します。1対1で行うコーチングとは異なり、複数人を対象に行い、システム(チーム全体)に働きかけるのが特徴です。
PLASでは、組織強化の一環として継続的にシステムコーチングを行っています。(前回のレポートはこちら)
ご協力いただいたのは、深町英樹さん(一般社団法人GEMSTONE 代表 / システムコーチ、経営コーチ) 。
都内の古民家スペース「いせやほり」さんをお借りして、丸一日かけて実施しました。
システムコーチングを実施した背景と目的
この春から、PLAS事務局では3つの変化に直面しています。
1つ目は、海外事業スタッフの山口が、ケニア駐在員として日本を長期間にわたり離れること。
2つ目は、新しいスタッフの石田が仲間入りしたこと。
3つ目は、リモートでの勤務が4年目を迎え、対面でお互いの関係性に深く向き合う機会が限られてきたこと。
これらをふまえ、3つの目的でシステムコーチングを実施しました。
(1)スタッフ全員でPLASの状態を把握し、どう関わっていきたいかを見つめる機会とする。
(2)スタッフ間の相互理解をさらに深める。
(3)オンライン主体だった関係性をオフラインで再構築し、関係性の質を向上させる。
この3つによって、アフリカでの活動の土台となる組織づくりにつなげることがゴールです。
前半:組織の変容プロセスを「エッジモデル」でみつめる
最初に、全員で場の合意(グラウンドルール)をつくることからスタート。
- お互いを尊重する
- 違和感を口に出す
- アサーティブな態度
- ポジションフリー(役割や肩書にとらわれない)
などが出されました。
次に行ったのは「エッジモデル※」を使い、システムの姿を見立てていくワーク。
まずは、PLAS事務局の「特徴・強み」と、「課題・のびしろ」を付箋に書き出しながら全員で俯瞰。
そして、「一次プロセス」と呼ばれる現在のシステムの状態を付箋に書き出し、その先に願う状態・これからの状態である「二次プロセス」を表現していきます。
その上で、一次から二次に飛躍するための「エッジ(次のステップに向かう時の心理的抵抗)」を書き出していきます。
「弱さを共有できる」「余白をもつ」「遠慮しない」などが書き出されました。また、「エッジを出すことにエッジがある」という気づきもありました。個人、及びシステムのエッジと向き合うことで、システムが変容していくドアに手をかけたような時間でした。
後半:個々の声に耳を傾け、具体的なアクションへ
休憩をはさみ、午後は「お互いのことをもっと知りたい!」というメンバーからの声を反映し、スタッフひとりひとりがPLASで働く理由やこれまでのあゆみを語りました。
はじめて知る一面や、活動を支えてきた原点をお互いに知ることができ、聴き手からはたくさんの質問が投げかけられました。
そして、エッジモデルで出された「これからの姿(二次プロセス)」をそれぞれが絵で表現し、対話。左脳ではなく敢えて右脳を使うことで、言語化し切れない思いやビジョンを共有し合いました。言葉で出されたシステムの姿が、ビジュアルになり、皆で魂を吹き込んだような時間でした。
最後に、これまでのワークを振り返り、明日からできるアクションやアイディアを出し合いました。
スタッフ間での情報共有の在り方から、新たな資金調達の施策、海外事業の展開方針まで、具体的な道筋が整理されました。
丁寧にシステムに向き合うことは時間がかかるとともに、時に心理的抵抗や意見の相違など、大変なこともあります。ただし、このプロセスを通してチームが理解し合い、効果的な補完をし合い、困難なときに助け合う組織力が育まれます。
それは事業の質を支える根となり、現地での成果に直結する翼となります。
最後に
PLASがめざす「アフリカで取り残された子どもたちが前向きに生きられる社会」は、わたしたちの活動をご支援・応援くださるみなさまに支えられています。
現地で最大限の成果を生み出せるように、活動に携わるメンバーを大切にしながら今後も事業の展開と組織強化に力を入れてまいります。
引き続き、ご支援・応援をどうぞよろしくお願いいたします。
※システムコーチングは、CRR GLOBAL JAPANの登録商標です。
※エッジモデル 出典:アーノルド・ミンデル博士 プロセスワーク