PLASの現地活動ケニアプロジェクト-SRHR現地レポート

ケニアレポート | ビタで早すぎる妊娠をするということージョイスのおはなしー

PLASはこの夏から、ケニアで10代の女の子たちを対象とした、早すぎる妊娠を防ぐ新たな事業を開始します。

今回はケニアで出会ったある少女のストーリーをお伝えします。

※合意でない性行為のケースです。トリガーになってしまう方、読みたくない方、どうぞ読まずに、ご自身の心を守るのを最優先にしてください。
※プライバシーを守るため、名前や設定は変更しています。

 

現地調査で気づかされたケニアの現状

これは、実際にあったケースのひとつです。

新しい事業の設計のために、まず10人の早期妊娠を経験したユースにおはなしを聞いたのですが、何よりも驚いたのはあっという間に候補者の枠が埋まったこと。決して家々が密集しているわけでもないこのケニアの湖のほとりの田舎で、あくまでもありふれた話として、このようなケースがたくさん転がっているのが現状なのです。

現在、アフリカで貧困やHIV/エイズによって取り残された子どもたちに支援を届けているPLASが、次に早期妊娠の問題に取り組もうと決断した瞬間でした。

ガレ場の山道が延々と続く村の写真

ジョイスのおはなし

ジョイス(仮名)は2018年に、16歳で妊娠しました。公立小学校の7年生のときでした。ケニアでは学校に年齢制限はないため、学費未払いや成績不振の留年など、16歳でもPrimary Schoolの生徒であることはよくあります。

彼女は8人兄弟の長女として生まれ、下の子どもたちの面倒をよく見ていました。両親は細々と農業と卵販売を営んでいました。家計は苦しく、生理用ナプキンなどの生活必需品も手に入らないことがありました。

村のおうちのひとつ

ある日ジョイスは近所で男性に出会いました。仮に名前をマイクとします。

マイクは村に姉を尋ねて居候しにきたところでした。毎朝ジョイスが卵をその家に配達する度にマイクと会い、ふたりは友人関係になりました。

村の景色。農業用水と生活用水に、このロバとガレ場を1時間歩いて水を汲みに行きます。

ジョイスは、マイクは不平等な立場をうまく利用してきたと振り返ります。「プレゼント」という名でお金を何回かジョイスに渡した後、性交渉を要求し始めたのです。

ジョイスは母親に「あの家にはもう卵配達にいかない」と言いましたが、理由を伝えることはできませんでした。

母親は配達を続けるよう命令し、ジョイスは従うよりほかにありませんでした。

なぜならケニアでは親子関係は日本とは少し違うからです。親に対して、ため口などは許されず、厳しく命令されれば従うのが絶対です。

村の別のおうち

ついにある日、マイクはジョイスを捕えて性交渉を迫りました。

ジョイスはマイクに避妊無しの性交渉では妊娠することがあり、せめてコンドームを使ってほしいと言いました。しかし、コンドームを売っている場所はマイクが言うには遠く、手元にもなかったためそのまま性交渉を強要されました。

その後、ジョイスは生理が来ず、病院に行きました。血液検査と尿検査の結果、妊娠が判明しました。

妊娠をマイクに伝えると、マイクは喜んでみせましたがジョイスの心は重く沈みました。ストレスにさいなまれ、家族の誰にも妊娠のことを言えません。

しかし刻々と体型は変化し、妊娠6カ月目に母親に妊娠を気づかれました。

その途端に、「その妊娠の責任を取るべき男のところへ行け」とジョイスは家から叩き出されました。

ジョイスはマイクと早期結婚をし、赤ちゃんをそのまま産みました。小学校は中退し、今も学校には通っていません。

敷石に寝転ぶ男の子

これが、ケニアには本当にたくさんあるおはなしです。そして、変えることができるはずだと、PLASが今新たに挑戦しようとしているおはなしです。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

7月11日から、新しい事業を開始するためのクラウドファンディングに挑戦します。
ぜひ、温かいご支援と応援のほどよろしくお願いいたします。

引き続き、9月30日まで「みんなとつくる、アフリカの子どもの未来キャンペーン」を通じて、50名のマンスリーサポーターを募集しています。

継続的に活動を応援、支援してくださる方がいらっしゃいましたら、PLASのマンスリーサポーターをご検討いただけますと幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。