2006年度ウガンダワークキャンプ参加者である川本華子さんと鈴木真希さんからワークキャンプに向けたエッセイを頂きました。
≪川本華子さんのエッセイ≫
私が初めてエイズ孤児たちと出会ったのはベトナムのエイズ孤児施設を訪問した時でした。
それまで、大学の授業や、個人的にエイズや子供の問題など国際的な問題を学んできましたが、実際にその子たちを目の前にし、一人一人の名前を知って、一緒に遊んでみて、初めてエイズ孤児たちの直面している問題の深刻さというものを痛感しました。
言葉もまだ十分に話すことも出来ないほど幼い子供たちが無邪気に遊んでいる姿と、そんな子供たちが一生をかけて背負っていかなければいけない問題があるという現実を目の当たりにし、それにもかかわらず何もしてあげることの出来ない自分の無力さに強い憤りを感じました。
世界にはエイズ孤児として苦しんでいる子供がいるということを学び、自分がその時悔しい思いをしたということを生かして、私にも同じような状況の下で苦しんでいる子供たちになにか出来ることはないかと探していた時に、PLASでのワークキャンプでエイズ孤児支援に関われるということを知ったので参加しようと思いました。
自分を守ってくれる両親というものの存在がない子供たちにとって教育を受けることは唯一自分を守るものとしてとても重要な役割を果たすでしょう。
そんな子供たちが天候に左右されることなく安心して教育を受けることが出来るように、今回のワークキャンプでは学校の修築作業に精を出し、頑丈な学校にしたいと思います。
それと同時に、これは個人的なことになってしまうのですが、途上国の学校建設や運営に興味を持っているので、途上国において下層の子供たちが受ける教育の現場を実際に見て、学校を建設すること、運営していくことの問題点や留意点を観察してきたいとも思っています。
また、孤児である以上にエイズで親を亡くしてしまったということによって子供たちが不当な差別を受けているという現実を正面から見つめ、その地域のコミュニティーにエイズの正しい知識を与え、子供たちの受ける差別を軽減させると共に、地域の人々の協力のもとでエイズを予防することにより、新たなエイズ犠牲者を生まないようにするということに貢献することが出来ればいいと思っています。
実際に現地に行き、目にすることは、日本の学校でただ学んでいるよりも多くのことを学ぶことが出来る上に、日本にいたのでは気づくことの
出来ないような些細なことも気づかせてくれるので、ウガンダに行ったらワークだけでなくいろいろなことに注意深くアンテナを張ってより多くのことを学んできたいと思っています。
言葉も文化も違う多くの人と交流することは日本ではなかなか難しいので、この機会を十分に生かし、現地の人たちや子供たちと積極的に交流し、自分の交友の幅を広げると共に、自分とは違う考え方、感じ方に触れ、自分の感受性の幅も広げていきたいと思います。
川本華子
≪鈴木真希さんのエッセイ≫
「アフリカに行ってみたい!
自分の足で現地の土地を踏みしめて、
自分の手で現地の人と触れ合い、
自分の目で今アフリカで何が起こっているのかを見てみたい。」
これがワークキャンプ参加を決めた最初の動機です。
そのため、当初はワーク内容に重点を置いていませんでした。
教育か、平和構築か、HIV/AIDSか・・。
ワークキャンプ選びに頭を悩ませる日々が続きました。
そんな私がエイズ孤児支援団体であるPLASのワークキャンプ参加を決めたのには、幾つか理由がありました。
まず、「HIV/AIDSについて知りたい」という思いが湧いてきたからです。
ある日「友人がエイズ孤児支援のNGOを設立したらしい」との話しを耳にしました。
国際協力分野に興味があり様々な活動をしてきた私ですが、これまでHIV/AIDSにはほとんど関わったことが無かったのです。
知識もありませんでした。
「何でエイズ孤児が生まれるの?」
「彼らはどんな生活をしているの?」
実際に自分が現地に行くことで、世界で最も深刻な問題の一つであるHIV/AIDSへの知識や理解を深めたいと思いました。
次の理由は、ワークキャンプの目標が明確だったという点です。
世界各国で開催される国際ワークキャンプの中には、ワークよりもメンバーの親睦を深めることに重点をおくものもあると言います。
PLASのワークキャンプは「『学校の修復作業』『エイズ啓蒙活動』『子どもたちとの交流』を通じて、子供たちが十分な初等教育を受けられるようにし、地域での彼らへの差別解消を目指すこと」を目的としていて、明確な目標の下でワークをして、充実したワークキャンプを過ごしたいと考えました。
そして最後に、「エイズ孤児への教育の重要性」を掲げているPLASに共感したことが挙げられます。
私は、「世界中の人が、自分の意思で自分の未来を決め、それに進んでいくことができるように手助けしたい」と思っています。
中高等教育を必要としている海外の難民の子供たち、日本にいる難民の方々との出逢いを通じて、そう考えるようになりました。
そのためには「教育」が大切であり、このワークキャンプで、より多くのエイズ孤児が十分な教育を受けられるように手助けしたいと思ったのです。
私にとって、アフリカと、そしてHIV/AIDSと関わる始めの一歩であるこのワークキャンプ。
とっても熱いPLASスタッフたちと、個性豊かなワークキャンプメンバーと、UPAメンバー・現地の方々と共に、最高のワークキャンプを作り上げてきたいと思います。
鈴木真希