1月20日から25日までナイロビで開催されている国際社会フォーラム(WSF)で
HIV/AIDSの蔓延を悪化させる暴力、特に女性に対する暴力にについて
世界中の活動家が激しい議論を交わした。
世界中の活動家は、女性に対する暴力はHIV/AIDSとの戦いの障害であると繰り返し発言し、
政府が何らかの対応を取らない限りHIV/AIDSとの戦いが非常に困難になるとしている。
また、暴力を背景に、性交渉の場で女性の意見が反映されない現実が、
女性を病気に罹るリスクに晒している、とフォーラム参加者の中で一致した。
セックスワーカーに対する暴力にも同じことが言える。
専門家は、HIV感染者に女性が多いのもこのような女性に対する暴力に起因していると指摘する。
昨年の国連エイズ合同計画(UNAIDS)の報告によれば、
世界のHIV/AIDSと共に生きる人々のうち64%が存在するサハラ以南では
女性の方が男性よりも感染率が高い。
フォーラムでは、女性がVCTを受けたことが夫に発覚した場合、
夫に暴力を振るわれるということも報告された。
その恐怖によって女性がVCTを受けられないまま、
夫との無防備な性交渉を続けなければならなくなっている。
この現状を受けて、女性への暴力を禁止する新たな法整備を求む運動が再燃している。
だがたとえ法が整ったのしても、HIV/AIDSとの戦いにおいて男性の協力は非常に重要だ。
HIV/AIDSの専門家は、男性の方がスティグマに敏感であるがために
男性がVCTを受けることは非常に少ないと指摘する。
これが男性をカウンセリングやケアから遠ざけ、場合によっては
治療を受けている妻の薬を横取りするということに繋がりかねない。
「男性が積極的に取り組まない限り、HIV/AIDSとの戦いとそれに伴う女性への暴力はどうしようもない」
とマラウィからのフォーラム参加者は言う。
国際社会フォーラムは、現在の新自由主義経済政策や
いわゆる富める北側の人々主導のグローバル化に反対して貧困や搾取のない社会を目指し、
現在の社会に対して問題意識を持っている市民や活動家が参加する会合。
2001年に第一回が開催されて以来、ブラジルやインドでも開催され、
昨年はマリ、ベネズエラ、パキスタンの3カ国で開催された。
今年開催されているナイロビには世界中から5万人以上の人々が参加者している。
原題: World Social Forum: End to HIV/AIDS a Tall Order in Face of Violence
日付: January 24, 2007
出典: Inter Press Service News Agency
URL : http://ipsnews.net/news.asp?idnews=36294
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国際社会フォーラムにはPLAS事務局長の門田が参加しました。
その報告も併せてご覧ください。
→ケニア・ナイロビで第七回世界社会フォーラムが開催されました