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【Weekly News/2007-04-11】レソト:欧州委員会が孤児に救いの手

レソトにおける深刻なHIV/AIDSの蔓延によって、
孤児や傷つきやすい子ども(orphans and vulnerable children:以下OVC)が増加している。
そこで、切実に必要とされている援助を届けるためのイニシアティブが発動された。
政府の統計によると、2003年には9万2000人だったOVCが、
2005年にはおよそ倍の18万人になったという。
しかも、このうちの10万人はAIDSで親を失くした孤児である。
大人の保護が受けられない子どもの数は、かつてないほどに増えている。
“エイズ孤児はさらに増え続けるだろう”と、UNICEFレソト職員のDiawara-Flambertは語った。
高齢の親類に頼るか、自力で生きていくことを余儀なくされる状況においては、
OVCは暴力や虐待、搾取に対してとても脆弱である。
国連は、2010年までにレソトの子どもの4人に1人が
自分1人で生きていかなければならない状況におかれるだろうと推測する。
しかも、そのうちの5人に4人までもがHIV/AIDSによる孤児だという。
レソトのHIV/AIDS感染率は世界で第三位と非常に高い。
UNAIDSによると15〜49歳の感染率は23.2%に上っており、国の対策が急務となっている。
UNAIDSの最新の予想によると、2007年には新たに2万9000人が感染し
レソトにおける感染者数は27万人に達する見込み。そのうちの、1万6000人が子どもだとされる。
これは、毎日新たに80人が感染するだけでなく、80人が死亡してゆくことも意味している。
レソトでは15歳以下の子どものうち、1万5000人がHIVに感染している。
そのほとんどが母子感染によるもので、UNICEFは毎年7000人が母子感染していると予測している。
政府の統計によると、この1万5000人のうち4400人がARV(抗レトロウイルス薬)を必要としているが、
実際には1160人しか薬にアクセスできていない。
このような状況の中で、欧州委員会による約1500万ドルに上る支援は極めて歓迎されるものである。
“この支援は、少なくとも6万人の脆弱な孤児を救うためのカンフル剤になるだろう”と、UNICEFレソト職員のDiawara-Flambertは語った。
保健・社会福祉省や教育省がUNICEFと密接に協力してプログラムを推進していくことになる。
このプログラムによって、“子どもたちには必要最低限の物資が配られるだろう。
そして、健康・教育・ケアサポートといった重要なサービスにアクセスし活用できるようになる。
また充分な食べ物と栄養、HIVから身を守るためのライフスキルの習得が可能になる”としている。
欧州委員会のPeter Beck Christiansenによれば、“このお金は、心理的サポート、指導や保護、教育施設やHIV予防教育へのアクセスを提供するために使われる”としている。

原題: European Commission gives orphans a helping hand
日付: March 30, 2007
出典: Integrated Regional Information Networks
URL : http://www.irinnews.org/Report.aspx?ReportId=71111

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