重度の貧血症は小児マラリアでよくみられる合併症だが、その治療法の一つである輸血が危険な可能性があるという。
熱帯地域のアフリカでマラリアが流行しているために子どもに輸血を行う場合があるが、これがHIV/AIDSにかかるリスクを背負わせる結果になっているというのだ。
ケニア医学研究所の臨床疫学者たちは献血者のHIV感染率が高いこと、血液検査が不完全であること、血液検査キットの不正確さなどを理由に、輸血用血液の安全性に疑問を持っている。
献血された全ての血液に、より精密な検査を行い、血液にウィルスが混入されていないことが保証されなければならないとしている。
「少なくとも10%の子どもたちが輸血によってHIVに感染している。この高い確率にもかかわらず、輸血がどこまで効果的なのか確信も持てない」
と研究所のオボニャ博士は語る。
「状況改善のためには血液バンクを改善すること、また可能であれば子どもへの輸血を制限することが大切だ」
と加えた。
また、地域のHIVとマラリア感染率など、現場に即した特定のガイドラインが必要だと専門家は指摘する。
「輸血は命を救う手段ではあるが、HIV感染の危険性は拭えない。このことから、輸血は血液がウィルスを含んでいる可能性が低い、また輸血をしなければ死亡する確率が高い場合にのみ有益だろう」
と博士は語った。
原題: Report Links Aids in Children to Malaria
日付: May 7, 2007
出典: allAfrica.com
URL : http://allafrica.com/stories/200705070365.html