現在、ジンバブエの子どもの4人に1人が孤児であり、その主な原因はHIV/AIDSにあることが調査で分かった。
2006年に実施されたこの調査では、18歳未満の子どものうち、22%が片親、もしくは両親を失っているエイズ孤児。
同様の調査が実施された1994年では9%、1999年では14%であったため、孤児の増加に歯止めが利いていないことが判明した。
ジンバブエの成人HIV感染率は18%。
専門家によると、この孤児の増加は90年代にムガベ大統領が推進したものの、未だ実を結んでいない長期にわたる経済、医療分野改革の失態と密接に関わっているという。
医療施設が崩壊し、子どもの予防接種率の低下や発育不全を多くの子どもにまねいていることが要因として挙げられる。
デル駐ジンバブエ米大使は、「予防接種率は全体的な景気の後退の一端を表しており、結果として多数の医療従事者が国外へ流出し、公共医療セクターでの混乱が起きている」と指摘する。
また、ジンバブエは周辺の国々と比べエイズによる死亡率が極めて高いことも指摘されており、抗レトロウィルス薬(ARV)が十分に流通していないことが原因とされている。
ある研究者はARVが普及すればエイズ孤児も減少するという見解を示しているが、孤児の数は他の南部アフリカ地域の国々と大差はなく、アフリカ大陸全体へのHIV/AIDS対策の拡充が叫ばれている。
今年2月、ドイツ、ニュージーランド、スウェーデン、イギリスの四ヶ国はジンバブエに対し、エイズ孤児対策費として計7千万ドルの支援金を送ることを決定した。
これはジンバブエでの5年、2億5千万ドルのエイズ孤児対策プログラムへの支援金で、資金はユニセフ、NGO、政府により管理され、エイズ孤児が教育や医療などでその恩恵を受けられるようになる。
原題:Number of Orphans in Zimbabwe Increasing Primarily Because of HIV/AIDS, Survey Says
日付: 19 July 2007
出典: Kaisernetwork.org