ウガンダ政府が母子感染予防(PMTCT)サービスの提供を開始したものの、妊娠中、出産時、または授乳時にHIVに感染する子どもが後を絶たない。
母子感染は抗レトロウィルス薬(ARV)の服用などによって2%ほどまで低下するが、年におよそ2万人の子どもが依然として母子感染によってHIV感染している。
これはHIV新規感染の42%にあたる。
首都カンパラにて2000年に開始されたPMTCTプログラムは全国に拡大し、現在では83ある地区のうち76地区でPMTCTプログラムが実施されている。
これほど普及しているPMTCTプログラムだが、60〜70%の女性はPMTCTを受けることができる医療施設での出産ではなく、自宅での出産を選択しているのが現状だ。
これには医療施設までの交通事情や医療従事者の経験不足などが原因として挙げられるが差別や偏見から、男性が女性からPMTCTプログラムを遠ざけている側面もある。
また、カウンセリングを受けないがために母子感染経路などの知識も乏しく、出産時の感染は免れても授乳などを通じて母子感染が発生してしまう例も少なくない。
ウガンダ国内のHIV感染率は90年代の20%台から低下を続け2000年には6%まで下がりはしたものの、近年は一転して増加傾向に戻りつつある。
こうした状況を踏まえ、ウガンダ・エイズ委員会のキフムロ博士は女性の感染予防に力を注ぐべきと強調する。
「母親を感染から守れれば子どもも同時に守ることができる。エイズが存在しない時代に生まれてきた者として、これからの世代をエイズから守ることが義務だと思っている」
と博士は語った。
原題: Home births hamper PMTCT programme
日付: August 26, 2008
出典: IRIN/PlusNews
URL : http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=80002