冬の色が残る山間で、Gogo Ndlovuさんは、
5人の孤児となってしまった孫の面倒を見ている。
彼女は、腰は曲がってしまい、杖に頼っている状態である。
Gogoさんはこう言う、「雨が止んでから、作物の成長も止まってしまった。
私たちには何もない。どうしたらいいのかわからない」。
その5人の子どもたち、ファムザ(9)、シフィソ(11)、サンドラ(11)、ムブソ(10)、ネリジウェ(12)は、
学校に着ていく服もない。彼らは、学校にお腹を空かせていき、
お昼に出る国連子ども基金による、給食だけでお腹を満たす。
しかし、彼らのような状況に置かれてしまっている家族は後を断たない。
スワジランドでは、HIVの有病率が19%と、世界で最も高くなっている。
平均寿命は、60歳から31歳へと激減し、
そのため3人に1人の子どもたちはエイズによって孤児となってしまった。
スワジランドの世界食糧計画(WFP)代表、Abdoulaye Baldeさんは、
「働き盛りの男女がAIDSで亡くなっていくことが、食料不足を招いている。
それに、エイズは隠居生活を送ろうとしていた世代に、
新たに子どもを育てるという負担をかけている」と指摘する。
農業と縫製事業で得た収益の4分の1を孤児たちの支援に回している、
HIV-positive women Swazis for Positive Living (SWAPOL)は、
孤児たちが生まれ育った場所から引き離されるようなことがないように、従事している。
SWAPOLのメンバーの一人である、サンシャイン・クネネさんは、
「あまりにも孤児の数が多すぎることが、この問題がないがしろにされている原因でしょう。
ここ2〜3年で、5人に1人の子どもがエイズで両親とも失い孤児となりました。
どこに、この子たちを養っていける人的資源があるというのでしょうか」と嘆く。
最近、健康経済とHIV/AIDS研究部署は、スワジランドはエイズによって多大な不利益を被っているが、
国際社会で最優先的事項として扱われていないと指摘した。
過去の経済状況により、スワジランドは中間所得国として扱われているため、
低所得国の受けているような、援助金を受け取ることができないのだ。
報告書’Reviewing Emergencies for Swaziland’ (2007)はスワジランドの経済が急激に悪化し、
低所得国のレベルに落ち込んだときには、すでにどんな介入も意味が無いほど、
HIV/AIDSの感染状況は手遅れになるだろうと示唆している。
Gogo Ndlovuの孫たちは、孤児のためのコミュニティーケアポイントまで、
2キロの岩に囲まれた悪路を歩いく。そこでは、粥が出されるが、
兄弟たちはスプーンを持っていないため、火傷に気をつけながら手で食べるしかない。
数分の静寂の後、子どもたちはビニール袋を幾層にも重ねて作ったサッカーボールを作り、
嬉々としてボールを追い始めた。
それを見ていた配給担当者は、「ちょっとしたことであの子たちは子どもらしくなれるんだ」と言っていた。
原題: Children Seek Hope in the Face of Aids
日付: July 24, 2008
出典: Inter Press Service
URL : http://allafrica.com/stories/200807250004.html