ニャンザ州シアヤ県ウクワラ区にて母子感染予防ワークショップを1月16日・17日の2日間で行いました。
この地域は、エイズに関して誤った認識を持つ住民も未だに多く、エイズに対する差別やスティグマも根強く残っています。
中でも、母子感染に関する知識は普及しておらず、様々な迷信やスティグマ、情報の混乱の中、医療機関で出産することに抵抗を感じ、適切な処置を取らないまま自宅で出産する母親が跡を絶ちません。
同地域では、診療所レベルでも母子感染予防のサービスにアクセスすることが可能であり、HIVに感染している妊産婦にも対応できるようになっています。
しかしながら、母子感染に対する情報の不足、またHIV/AIDSに対する根強い差別やスティグマが、同サービスへのアクセスを遠ざけており、多くの女性が適切な感染予防処置をとらないまま出産するケースが多いのです。そのため、母子感染による子どもへの新規感染が深刻な問題となっています。
そこで、地域で活動する自助グループのアクティブなメンバーへ、HIV/AIDSの基礎や母子感染予防一般に関しての知識を伝え、参加者が所属する自助グループや周辺地域住民に、これらの学びを共有することによって、出産時の医療機関の利用を奨励し、母子感染による子どもへの新規感染を減らすことを目的として、ワークショップを実施しました。
当日は19名(男性8名、女性11名)が参加し、妊娠・出産に関する経験談の共有や妊娠・出産のメカニズムや母子感染予防について学びました。
また、地域の人々に医療機関の利用や男性の協力を奨励するための練習や地域での啓発計画の立て方についても学び、大変有意義なワークショップとなりました。
参加者からは、
- 「母子感染の重要性を学んだ。」(28歳、男性)
- 「どの情報もとても重要で、自分たちが地域住民を啓発することを通じて、HIVの新規感染を減らし、子どもや母親の命を
救う手助けができる。」(22歳、男性) - 「またワークショップを開いて欲しい。」(45歳、女性)
- 「ワークショップは良かったが、期間(2日間)が短すぎる。」(31歳、女性)
などの声が聞かれました。
多くの参加者が積極的に発言しており、ワークショップ全体がとても活性化され、参加者から時間の延長を提案するなど、今回取り扱った項目は参加者にとって新しい分野であり、必要とされている情報であることがうかがえました。
今後、今回のワークショップ参加者が地域で啓発活動をおこなえるよう、定期的なフォローアップをおこなっていく予定です。