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【Weekly News】ジンバブエ:教育現場の現状、HIV感染者への差別

7歳になる少女、メモリーはHIVに感染している。メモリーの祖母は、“彼女は十分学ぶ程生きられない”と考え、学校を辞めさせようかと思っていた。HIV感染が原因で、メモリーは学校で差別を受けている。担任の先生からもばかにされるようになったようで、学校に行くことが彼女にとって本当に価値のあることなのかと考えてしまうそうだ。
ジンバブエでは、12万人の子どもたちがHIVに感染していると言われている。学校の先生たちは、HIV流行の最前線にいると言っても過言ではない。しかしながら、国家エイズ評議会の調査によると、学校の先生たちは特に訓練を受けているわけでもなく、エイズやエイズ治療薬使用などについての知識が乏しいようだ。また、HIV感染した子どもたちの心と体をどの様にサポートすればよいのかもわからないということだ。メモリーの直面する現実から見ても、このことは明らかだ。
HIV陽性の生徒が教育現場でどの様な扱いを受けているかは、これまで見過ごされてきた。ジンバブエの首都にあるUNESCO(ユネスコ)のHarare事務局は、高等教育省と協力して教育者のためのHIV/AIDSマニュアルを作成した。
このマニュアルは、今年1月から、教育者を養成する学校のカリキュラムに取り入れられている。既に働いている先生たちにも同様にして配られ、また、HIV/AIDS理解のための特別なプログラムやワークショップも行われる予定だ。
高等教育省の事務次官、Washington Mbizvo氏は、「HIV/AIDSと闘う際、教育者が果たす役割は大きい」と言う。HIV感染拡大を防ぎ、HIV感染者たちをサポートする取り組みの中で、教育者たちが学校現場でできることは多く、影響力もとても大きい。ユネスコの現地代表、Soo Hyang Choi氏もこの様に強調する。
メモリーのHIV感染は、小学校に入学した2005年に判明した。祖母と親戚は地域の支援団体のサポートを受けたので、メモリーは感染の事実を受け入れることができたし、それまでと変わらない生活をしていけると信じていた。でも、学校での差別が彼女の生活に影を落としている。学校のほとんど全ての生徒がメモリーのHIV感染を知っている。先生もメモリーのことを重大な犯罪者のような目で見る。このような状況は、国全体の多くのHIV陽性の生徒が経験しているようだ。
今年から使用されるようになったHIV/AIDSに関するマニュアルには、HIV/AIDSに関連する基本的な情報や性のこと、そして、HIV陽性の子どもたちをどの様にサポートすればよいかが書かれている。Women’s Comfort Corner(女性のための草の根NGO)の代表、Rita Mbatha氏も、このマニュアルが活用されることを大いに期待している。
Mbatha氏は次のように話す。「教育者はHIV/AIDSと闘う上でとても重要な役目を果たす。“HIV感染した生徒に対して先生がどのような態度をとるか”は、生徒たちの手本にもなる」。ひいてはそれが、その地域における“HIVとHIV陽性者に対する態度”を決める場合もある。それ位、教育者の行動は生徒と地域社会に影響力があるということだ。
Mbatha氏は、作成されたマニュアルが“HIV陽性の子ども・保護者・先生を結ぶ重要な鍵”になってくれると信じている。HIV感染した子どもたちが、感染の事実を知る前と変わらない生活ができるよう、そして他の子どもと同じように通学できるよう、学校と地域は協力してサポートしていかなければならない。
(訳:大場菜生子)
原題: Training Teachers to Cope With HIV-Positive Students
日付: January 15, 2010
出典: all Africa
URL : http://allafrica.com/stories/201001150884.html