国際的に認知されつつある、5月18日の「世界HIVワクチンデー」にちなんで、UNAIDS(国際連合エイズ合同計画)の事務局長がHIVワクチンについてのコメントを発表した。HIVの感染拡大に歯止めをかけるためにも、ワクチンの開発に対する期待は大きい。
2009年にタイで行われたHIVワクチン投与に関する試験では、全体の31%が感染リスクを防ぐことができるという結果がでている。安全で効果的なHIVワクチンの開発に対してはより一層の期待がかかる中、世界各国の有識者・研究者たちは、安全かつ効果的なワクチンの研究・開発に取り組んでいる。開発への道のりは困難も多く、課題もたくさんあるため、先進国と開発途上国が協力して取り組んでいかなければならない。
UNAIDSはHIVワクチンの研究・開発に向け、関連機関と協力のもと、さらなる努力を重ねていくとしている。2008年には新たに270万人のHIV感染が報告されており、HIV感染拡大防止のための更なる対策の必要性が叫ばれている。また、世界の誰もがHIV感染防止の方法を知ることができ、治療・ケア・サポートを受けられるようにしていかなければならない。
世界では今、“2人”がHIV治療を受けられるようになった時、新たに“5人”がHIVに感染している。適切な治療が受けられる人はまだまだ少なく、そしてHIV感染は広がるばかりだ。世界中にいるHIV感染者の全てにケアが行き届くように、そして新たな感染をできるだけ防ぐように、引き続き活動していく必要がある。
(訳:大場菜生子)
原題: International HIV Vaccine Day
日付: May 18, 2010
出典: UNAIDS
URL: http://www.unaids.org/en/KnowledgeCentre/Resources/PressCentre/PressReleases/2010/20100518_PS_IntVaccineDay.asp