2010年FIFAワールドカップが南アフリカで開催され、世界中の視線がアフリカに注がれる今、アフリカ全土でHIV/AIDSに関するキャンペーンが行われている。
様々なプログラムがあるが、そのうちの一つ、“Brothers for Life”は、国際的にも有名なサッカーのスーパースター、フランス代表のティエリ・アンリ選手やアルゼンチン代表のリオネル・メッシ選手らも協力。南アフリカの各地で、ラジオ、CM、野外広告、パンフレットなどを通して、「自律と勇気ある態度でHIV感染や女性への暴力的行為を防いでいこう」と、若い男性たちに訴えかけている。
カメルーンとガーナの貧しい地域では、ソニー、UNDP(国連開発計画)、JICA(国際協力機構)の連携の下、ワールドカップ20試合のパブリックビューイングが行われ、同時にHIV検査やHIV予防の啓発活動も行われている。多くの若者が気軽に集まれるよう、試合の観戦に加え、参加型のサッカーゲームを行うところもある。
ケニアではThe National AIDS and Sexually transmitted infections Control Programme(エイズ・性感染症対策プログラム)が国内3ヵ所に試合観戦用スクリーンを設置。そこでは、他のNGOとも協力してHIV検査やカウンセリングも行われている。ワールドカップ期間中、1日33,000人以上の検査受診を目標にしている。
FIFA(国際サッカー連盟)も、サッカーを通じて子どもたちの教育や健康問題の解決を目指す「フットボール・フォー・ホープ・センター」をアフリカ中20ヵ所に設立。特に、伝染病が蔓延したり、様々な支援が必要とされている地域に設立されていて、若い人たちがHIVやその他感染症から自分を守れるよう情報提供を行っている。
アフリカだけではなく、インターネット上でも様々な企画が実施されている。ホームページで様々な立場の人がHIV/AIDSについて意見を交わせる機会を提供する国際協力団体もある。アフリカにとっては「HIV/AIDSを正しく理解する機会」が、そして世界にとっては「HIV/AIDSを含めたアフリカの現状を知る機会」が今与えられている。
(翻訳:大場菜生子)
原題: World Cup HIV campaigns
日付: June 25, 2010
出典: IRIN News
URL: http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=89517