ウガンダ北部のグル県にあるアグネス・オロマさん(31) の10m×15mの裏庭は、趣味のためだけの庭ではない。彼女によると、健康を維持できる理由はこの庭にあるという。
彼女は、豆、トウモロコシ、魚などの毎日の食事の補足として、その土地に固有の野菜とトマトを栽培している。彼女は自分で育てた玉ねぎが入った麻の袋を誇らしげに自慢した。
「自分の家の裏にある小さなスペースを無視しちゃいけない。裏庭のおかげで安く食事ができ、経済的負担も減るので、毎日のARV治療と健康のために必要なものが買える」と彼女は語った。
燃料の価格高騰と長引いた乾季の影響で、ウガンダの人々は食料品の値上げに直面し、国内では人々の不満を招いている。
「治療のために一番心配だったのは、食べ物。私の体はARVの薬の力に抵抗する体力を持っていなかった。しかし食糧をたくさん生産し、野菜を育て始めてからは進歩が感じられ、他のことをする体力さえもでてきた。今では、自分で栽培している食べ物のおかげで、薬の副作用を心配せずに飲むことができる。」とマウリーン・キラマさんは言った。
「11月から1月にかけて栽培した玉ねぎや野菜を収穫したところ、100,000 ウガンダシリング(約41.60ドル)で売れた。そして、そのお金は食費や学費に当てた。」と彼女は話した。
しかし、食糧不足ですでに体力が低下してしまっているHIV陽性者の人々には、庭で働くという選択肢は存在しない。2010年にグル病院では、1,792人ものHIV陽性者が治療のために緊急の食糧支援を受けた。また、2011年に入ると新たに300人もの人がその援護を受けるための登録をした。
「栄養はHIV治療に影響を及ぼす。十分な食料がなくては、HIV陽性者の人々は、ARVの副作用に打ち勝つことはできない。」と病院の栄養士であるフランチェスカ・アチエングさんは言った。
しかし、HIV陽性者の多くは、緊急食糧供給センターにお金を払えずにいる。そのため、確実にARV治療計画を続けられるように、栄養をサポートするプログラムを企画するよう彼らは政府に求めている。
(翻訳:長谷川楓)
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原題: UGANDA: As food prices bite, HIV-positive people turn to kitchen gardens
日付: 21 April, 2011
出展: IRIN Plus News
URL: http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportID=92544
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