グル県に住むブラディナ・オブウォナさん(74)はまだ笑顔を失っていない。生活が経済的に安定したというわけではないが、彼女が養っている、親をHIV/エイズによって失った孫たちの希望の灯がまだ消えていないからだ。
オブウォナさんは、両親をエイズで失った7人の孫たちを5年前に引取った。そのうち、5人は小学校に通っている。学校の放課後には近所のエイズ孤児たちも彼女の家に集まり、彼女から日常的にカウンセリングを受けている。エイズ孤児たちは彼女のことを、自分たちのおばあちゃん、と慕い、中にはオブウォナさんに引取られた子どももいる。
オブウォナさんは子ども達のケアについてこう語る。「エイズ孤児が親戚などに引取られた場合、HIV/エイズについての知識が保護者に不足していたために亡くなってしまうことが少なくありません。息子と娘をエイズで失った時、私は支援団体からエイズ患者のケア方法を学び、そこでエイズに影響を受けた子ども達への様々な対処方法も学びました。」
子どもたちを養っていく上で大きな壁となっているのは、子ども達に十分な食事を与えることだという。エイズ治療薬(ARV)を服用している子どもには十分な栄養と体力が必要なためだ。「厳しい人生ですが、みんな生き抜かねばなりません。ただ、子どもたちが中学生になった時、学費を賄ってやれるかどうかが心配」と、オブウォナさんは不安を語った。
彼女と同様に、高齢者がエイズ孤児の保護者となることは珍しいことではない。しかし、物忘れが激しくなる高齢者にとって、子どもに規則正しくエイズ治療薬を服用させることが難しく、治療薬の効果が発揮されないケースもあるという。
HIV感染率は、全国平均が約6%なのに対し、グル県のHIV感染率は12.3%と倍以上。これは反政府武装勢力「神の抵抗軍」(LRA)が周辺地域で約20年間繰り広げてきた紛争が主な原因だ。紛争で多くの家庭を引き裂かれ、現在も身寄りのない子ども達がグル県の国内避難民キャンプで暮らしている。
(文責:大島陸)
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原題: She has seven patients under her care
日付: October 15th, 2011
出展: The Monitor
URL: http://www.monitor.co.ug/SpecialReports/-/688342/1255454/-/vdd89l/-/index.html
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