キスムでは雨がぱったり止んでしまい、現場に出れば砂埃に巻かれる日々がまた続いています。
昨年末に地域で選出され、先月母子感染予防の研修を受講した啓発リーダーたちの活動が今月から各地区で実施されています。啓発リーダーの1人、ボニフェス・オモンディさんはリーダー研修で初めてHIVの母子感染予防について集中的に学びました。
「HIV/エイズの知識は以前から多少ありましたが、今回の研修で新しいことをたくさん学べました。住民が適切に母子感染予防に取り組めるよう、学んだことを生かしながら活動していきたい」と語るボニフェスさん。所属している地域住民組織では日干しレンガをつくり、メンバーの収入向上事業に取り組んできました。
研修のグループワークでディスカッションをまとめるボニフェスさん(中央)
研修終了時には、日本のみなさんに向けてこんなメッセージを送ってくれました。
「私たちの活動を日本から支援してくださっているみなさんには心から感謝しています。みなさんのご支援のおかげで、情報を必要とする人々に私たちリーダーが啓発をするという、草の根レベルの活動ができるのです。」
そして今月上旬、ボニフェスさんは地域の診療所で妊産婦を対象に母乳育児や母子感染の可能性、予防方法などを啓発する活動を実施。初めての啓発活動とは思えないほど堂々とした語り口調で、約50分間、研修で学んだことを住民に語りかけました。課題点も多く挙がりましたが、プラスのスタッフから指摘されるその一つ一つを、次回に向けての課題として熱心にメモを取っていた姿が印象的でした。
ボニフェスさんの啓発内容に熱心に耳を傾けるお母さんたちの腕の中には、まだ小さい赤ちゃんたちが抱かれていました。未来に続く、この赤ちゃんたちの眩しい笑顔を守るため、啓発リーダーが活動の第一歩を踏み出しています。
文責:大島陸