プラスの啓発リーダーは皆、昨年の11月に各地域で実施された選出を通して住民の多数決により選ばれました。
選出されたということは村の住民達から信頼されている証拠。
啓発リーダーの中には前々から地域のボランティア活動に取り組んできた人も数多くいます。(選出の様子はこちらをご参照ください!)
例えば、ケニアの地域保健を支えるヘルスワーカーの一人として活動する一方、プラスの啓発活動にも意欲的に参加している啓発リーダーのRさん。
家事に畑仕事にと忙しい毎日を送りながらも2つのボランティア活動に参加する志高い女性です。
ところが、先月Rさんと同じグループの啓発リーダーから「Rさんが活動を脱退しなければならなくなった」と思いもかけない報告が。
事情を聴くと、Rさんのボランティア活動が一家に収入をもたらさないことに不満を抱いていた夫が啓発リーダーを辞めるよう言ったらしいのです。
さらに深刻なことに、この数日後Rさんは行き先も告げずに夫と子どもを残して家を出ていってしまったそう。
彼女から直接事情を聞けぬまま2週間が経過し、もはやスタッフも彼女の啓発リーダー復帰を諦めかけていました。
そんなある日、スタッフが啓発活動のモニタリングに行くと、なんとRさんが活動に来ているではありませんか!
何でも、反対していた夫を説得し、今後もボランティア活動を続けていくことを理解してもらったそう。
「家庭内のいざこざは全て片付いたから7月からは今までどおり啓発活動に参加するわね!」と呆気らかんと話す彼女の底力に、スタッフ一同勇気づけられました。
現金収入を得る手段が少ないケニアの農村部で1日1日の生計を立てていくのは容易なことではなく、当然ご主人の意見も一理あります。
だからこそ、地域から選ばれた啓発リーダーとしての活動に従事することでRさんやRさんのご家族がお金には変えられない価値を見出せるよう、私達スタッフもベストを尽くしたいと思います。
文責:上坂明日香