PLASの現地活動現地レポート

ウガンダレポート -地域でエイズ孤児を支える仕組みをつくる-

こんにちは、副代表/現地調整員の大島です。
今月、1年以上のプロジェクト準備を経て、ウガンダ共和国での新しいプロジェクトがようやく発表となりました。
今回のレポートは、新しいパートナー団体の紹介と、プロジェクト開始の経緯をお伝えします。

2011年1月、プラスは新規プロジェクトのため、ウガンダでエイズ孤児の保護・サポート活動を展開している団体の調査を開始しました。
ウガンダの中間支援組織の協力を得て、約30以上ある団体の中から、書類選考や電話でのインタビューを重ね、選ばれた4団体を同年5月に私が訪問し、現地調査を行いました。
この時初めて訪問したのが、新規プロジェクトのパートナー団体となるKayunga Friendship and Development Association(以下カユンガ)という団体です。

カユンガメンバーの方々

カユンガは首都カンパラの東に位置するジンジャ県で活動しており、約40名のメンバーは全員HIV陽性者。現在、カユンガ所有の農地で栽培した農作物から得られる収益と、団体で運営している養鶏事業の収益をエイズ孤児の就学支援に充てる活動を行っています。

カユンガが、独自にこれまでに支援したエイズ孤児は64名。学費の一部負担や制服の提供などを行ってきました。このような就学支援を実施する場合、他団体からの資金提供に頼り切りになる団体もある中で、カユンガはほぼメンバーの持ち寄り金のみで開始、運営されています。

カユンガが所有する農地

今回の新規プロジェクトでパートナー団体を決める際に重要視したのは、エイズ孤児の保護・サポートに対し効果的、継続的、自立的な活動を行えるか、でした。カユンガは過去8年間の支援実績がありますが、何より私たちが共感したのは、メンバーの活動に対する意識の持ち方です。

メンバーが経済的に安定しているとは言えない中でも、団体の収益事業を自分たちのためではなく、地域で支援を必要としているエイズ孤児の就学支援のために充て、エイズ孤児支援の体制を「地域でつくる」ことを目指していました。私たちは、この彼らの真摯で熱意あふれる活動に共感し、共にエイズ孤児の教育支援に取り組みたい、と感じたのです。

現在カユンガが借りている鶏舎。鶏の数に比べスペースが少ない状態。賃貸料金も払わねばならない。

まずは来年、養鶏事業を拡大するための鶏舎建設を予定しています。現在、鶏舎建設のための寄付を募集しておりますので、ご協力いただければ幸いです。

次回の現地レポートは、カユンガメンバーのインタビューを交えながら、団体設立のきっかけなどについて紹介します。お楽しみに!

文責:大島陸