PLASの現地活動現地レポート

ケニアレポート-第5回母子感染予防リフレッシャー研修を実施しました!-

7月よりインターン生としてキスム事務所で働いている山下です。
現地に赴任してから早一か月半が経ち、早速、半期に一度行われる啓発リーダーの研修へ参加させてもらう機会がありました。

今回の研修では、住民へ主にHIVの母子感染予防について啓発活動を行う啓発リーダー達がこの研修の中で扱う課題に対しお互いに意見を交わしたり、グループでプレゼンテーションを行いました。彼等はより聴衆者の理解を得る為にそれぞれが自身の経験や事例を用いて分かりやすく説明をしていたりと工夫が見られ、知識の浅い私でも分かりやすものでした。

専門家の講義の様子。

何よりも、実際に彼等が地域住民に対して啓発活動を行う様な形で、聞き手への一方的な知識の共有ではなく、聞き手と話し手の間に会話が生まれる様なリラックスした雰囲気作りに努め、聞き手の注目を集める形でプレゼンテーションをしていた事に啓発リーダーとしての経験や力を見ることができ驚きました。さすが、地域住民から選出されただけの事はあるのだなと感心します。

プレゼンテーションの様子。予めグループの中で役割を決め、一人一人が発表していました。

一方、課題だなと感じた事は、男性の家庭内における役割や家事、育児に参画する事に対する男女の意識の違いです。

彼等自身、女性だけでなく男性も家事や育児に積極的に参加し協力して家庭を支える事が良いことであることは理解しているようなのですが、本心ではまだそれらは女性の役割であり、「男性が布おむつを洗濯する事は、第三者からすればその家庭内では女性が強い立場にあると見られてしまうのでは?」といった様子。

男性が家庭内の問題解決に向けて関わったり、家事、育児に参加する事は家族を作る計画を立てる上で特に女性にとっては重要な点であると思います。
また、こういった意見は何もケニア人男性特有のものではないですし、どの国どの家庭でも見られる事だと思います。

ただ、ある女性啓発リーダーが発言した様に、先進国と発展途上国における男性の家事への参画の考え方には差がある様に感じると言うのは理解できるなと感じました。それは女性の社会進出が大きく関わっている故だと思いますが、それでもケニア人女性は本当に朝から良く働いている様子を見ますし、家事育児全般をこなすことは簡単ではないはず。
もう少し男性から積極的、前向きな意見が彼らの本音として発言される機会が増える事を今後期待します。

グループディスカッションの様子。モビライザー達の普段感じている疑問や問題、本音の意見など沢山聞くことができました。
閉会の言葉をお願いしていた助役からの積極的な意見も聞くことができました。

固い意見ばかりを書きましたが、研修中は冗談を言ったり、長い時間座りっぱなしで眠気と闘う啓発リーダー達の為に、日本で言うラジオ体操の様なものをみんなでやってみたりと終始明るい雰囲気でした。

昼食には、彼等が主食としているウガリを作り美味しく頂きました!
最終日には、各自のプレゼンテーションで発揮されたスキルに対し表彰状の授与をしました!

普段、それぞれの地域で分かれて活動している啓発リーダー達がお互いに顔を合わせ、自身の意見や経験、実際に地域住民から挙がった質問を事例として共有したりと、彼等だけでなく私達日本人スタッフにとっても彼等の報告書からは読み取れない、普段からの思いや抱える課題が見られる非常に貴重な機会になったと思います。

研修中、一番の優しい笑顔が撮れました!

文責 山下 真由美