Positive Living世界エイズデー法人様との連携事業・ご支援

PLASの協賛企業、スタンダードチャータード銀行が展開するHIV/エイズ教育啓蒙プログラム「Living with HIV」をご紹介

12月1日の世界エイズデーまであと1ヶ月。
世界エイズデーに合わせて、PLASの協賛企業でもあるスタンダードチャータード銀行の取り組みをご紹介します。

スタンダードチャータード銀行は、アジア・アフリカ・中東地域において150年以上の歴史を誇る国際的な金融グループです。世界約70カ国、1,700余の拠点にて、多岐にわたる金融サービスを提供しています。

同行は、HIV/エイズ問題を重要視し、グローバルレベルでHIV感染予防を目的とした教育啓蒙活動を展開しています。1999年に開始したHIV/エイズ教育啓蒙プログラム「Living with HIV」は今年で10周年を迎えました。スタンダードチャータード銀行在日総支配人クリストファー・ナイト氏に、その取り組みについてお話を伺いました。

アフリカでも事業を行う銀行だからこそ、エイズ問題に取りくむのです。

スタンダードチャータード銀行は世界70カ国以上に展開、1700以上の拠点を持つ世界有数の英国系銀行。社会貢献活動にも積極的で、各国でHIV/エイズ教育の啓蒙活動を行うようになって10年になりますね。エイズ問題に取りくむことになった背景は?

銀行の義務として、安定した利益を株主に配当することだけでなく、社会が直面する課題に対しても何らかの良い影響を生みだす義務もあると考えています。また、行員だけでなく、私たちが拠点を置く地域の人々のためにも力になりたいと考えています。
エイズ問題に取りくむことになった背景には、私たちがアフリカで事業を行うもっとも大きなインターナショナルバンクの一つだったことがあります。エイズの問題は、アフリカの経済にも大きな影響を及ぼし、もっとも深刻な問題のひとつです。アフリカでも事業を行う銀行だからこそ、専門的に取り組もうと考えたのです。

エイズ教育啓蒙プログラム「Living with HIV」について教えてください。

教育を通じてHIV/エイズの知識をより多くの地域に広げることを目指すHIV/エイズ教育プログラムです。スタンダードチャータード銀行のアフリカ地域の支店で1990年代後半に立ちあがり、2003年には世界各国の支店に広がりました。その後、知識を広めるほかにも、重要な課題があることに気づきました。それは、HIVと共に生きる人々への差別や偏見です。HIV陽性者であるという理由だけで、差別されてしまうケースが後を絶ちません。知識の普及だけでなく、HIV/エイズへの差別や偏見をなくし、HIVと共に生きる人々や、その家族など、HIVに影響を受ける人々が、安心して暮らせる地域をつくることが大事だと認識したのです。
私はスタンダードチャータード銀行ナイジェリア支店でCEOをつとめた経験がありますが、在任中の2009年には、世界エイズデーの一環として、12,000人の中学生にエイズ教育を提供するプログラムを実施しました。その中にはエイズ孤児となった子ども達もいたのではないかと思います。

大事にしているのは「パートナーシップ」

スタンダードチャータード銀行が行うエイズ教育プログラム「Living with HIV」では、NGOや政府組織など、外部のパートナーとの連携を通した社会貢献活動にも力を入れています。エイズ孤児支援NGO・PLASとの連携例もそのひとつです。情報を交換し、互いに学びあい、より多くの人々へエイズの問題や予防法、差別や偏見をなくすための正しい知識を伝えていくことができます。
当行では、グローバルな取り組みとして、行員からボランティアを募り、地域でHIV/エイズ教育の啓蒙活動を行う人材「HIVチャンピオンを育成しています。彼らは、スタンダードチャータード銀行が持つエイズ啓発のノウハウや、HIV/エイズの正しい知識を学び、地域のさまざまな場所でエイズ教育を行っています。

このボランティア活動でも、それぞれの行員がNGOなど外部のパートナーと頻繁に協力しながら活動しています。こうしたアプローチで、私たちは2010年までに各国で160万人にエイズ教育を提供してきました。
エイズ問題に取り組むNGOは数多くありますが、エイズ問題への情熱や関心、HIVと共に生きる人たちとの接点を多く持つ団体と協力したいですね。

日本では、エイズの問題は遠い存在と思われがちです。日本のみなさんにエイズ問題をもっと身近に感じてもらうには、どのようなことが大切なのでしょうか。

「自分ごとの問題」として考えてもらうことが大切だと思います。国連合同エイズ計画(UNAIDS)によると、日本を含む東アジアでは、2001年から2009年までの新規HIV感染者数は120%と増加しています。アフリカと比べるとたしかにHIV陽性者の数は少ないとイメージするかもしれませんが、世界中を自由に行き来することができる今、HIV/エイズの問題は特定の国や地域が直面する課題ではありません。日本に暮らしている私たちにとって、誰にでも関わる問題だということを伝えたいですね。スタンダードチャータード銀行としても、日本でのエイズ啓発活動にさらに力を入れていきたいと考えています。

スタンダードチャータード銀行のHIV/エイズ啓蒙活動「Living with HIV」はこちら(英文)