現在ケニアで実施している母子感染予防事業は、啓発リーダーを対象にした最後のリフレッシャー研修を先週無事に終えました。
研修では、事業終了後も啓発リーダーたちが自主的に活動を継続していってほしい、という思いを込め、これまでの研修で扱った内容+αを網羅したマニュアルガイドを配布することにしました。
マニュアルガイドについては以前から要望が高かったこともあり、待望のマニュアルガイド配布に啓発リーダーも喜んでいました!
啓発リーダーたちに積極的に使ってもらえるよう、作成にあたり留意した点は、①専門用語をなるべく減らす、②地域でよく起こる状況をケーススタディとして入れ込む、③余白を大きめに開ける、④関連項目に挿絵を挿入する、の4点です。
① 専門用語をなるべく減らす
HIVを説明するにあたり、ある程度の専門用語は避けては通れません。とはいえ、地域の人が問題に対して興味を持ち理解を深めてもらえるよう、医療用語や専門用語はなるべく易しい言葉に言い換え、シンプルな表現を使いました。専門家も、“マニュアルガイド”というとどうしても固い表現を使ってしまいがちでしたが、何度も推敲を重ねて平易な表現に努めました。
② 地域でよく起こる状況をケーススタディとして入れ込む
各トピックの最後には、地域でよく遭遇する状況をケーススタディとして入れ込み、どういった対応が望ましいかなど議論するきっかけになるような質問を投げかけました。文化や慣習に関連する場合、答えは必ずしも一つではなく、しかも人によって正しいと思う答えは違います。相手を責めずに、それでもHIV感染予防のメリットを伝えるためにはどうしたらいいか、住民と一緒に考え、話し合いながら答えを導き出してもらいたいと思います。
各ケーススタディには状況がわかるようなイラストを挿入しました。
③ 余白を大きめに開ける
マニュアルは綺麗に保ちたい、汚したくないというケースが多く、本棚にしまわれたままのことも。プラスでは、研修中に取り扱った内容など、必要なことはマニュアルガイドに直接書き込みできるよう、各ページの余白を大きめにとりました。
マニュアルガイドは研修の初日に配布して取扱いに慣れてもらいつつ、必要なことはガイドに直接書き込んでもらうようにしました。
④ 挿絵を挿入する
読み物があまり得意ではない人たちのために、関連する項目に挿絵を使用しました。ガイドを読めない人たちに対しても、絵を見せながら説明することで、より理解が深まることを狙いとしています。ちなみにイラストは現地の人にお願いしたのですが、日本のものとはかなりテイストも違うので見ていて飽きません!
コンドームの使用を推奨するイラスト。かなり味があります(笑)
啓発リーダーには2冊ずつのマニュアルガイドを配布しました。これをどう活用するかは啓発リーダー次第!工夫して使いながら、さらに多くの住民に知識と情報を届けてほしいですね!
次回の現地レポートでは、最後の研修の様子を報告します!お楽しみに~☆
文責:谷澤