今回は、11月26日にレポートしたカウンセリング事業の続報です。
カウンセリング事業では、カウンセラーによる子どもへのカウンセリング活動に加え、カウンセリングを受けている子どもたちや、その家族を集めてヒアリングをおこない、変化をモニタリングする機会を設けています。
子どもフォーラムでは、カウンセラーとカウンセリングを受けている子どもたち30名が参加。
普段自分たちが接しているカウンセラー以外にも、自分が話をしてみたいカウンセラーを自由に選び、話すことができます。また、他の子どもたちと一緒にグループでカウンセリングを受けることで、困難な状況に陥った時にどうしたら良いかなど、他の子どもから新たな気付きや学びを得たりすることもできました。
カウンセリングを受けている子どもたちは、とても貧しく、雨で屋根が崩れ落ちてしまうような劣悪な住環境で育った子どもたちばかりです。病気になっても病院に行くお金はなく、HIV陽性の子どもについては、抗レトロウィルス薬は政府の医療機関で無料で手に入るものの、HIV陽性者がかかりやすい日和見感染症の治療薬や、免疫力を高めるための栄養価の高い食事には手が出せないのが現状です。
また、特に孤児の場合、家庭の中でより多くの家事を押し付けられているケースが多く、児童労働につながるケースも多いのだとか。また、アルコール依存症の保護者を抱える子どもも多く、子どもの就学状況や成績に悪影響を与えています。
そのような過酷な状況で育った子どもたちが、同じような立場の子どもたちを接し、話を聞くことによって、引っ込み思案だった子どもたちも少し積極的に、そして他の子どもたちと意見を交わすことができるようになります。
別の日に開催された保護者フォーラムでは、カウンセリングを受けている子どもたちの保護者34名が参加。
保護者の役割や子どもの権利について勉強したり、子どもの話を上手に聞く方法や、子どもたちが直面する困難や課題の克服の仕方など、子どもとより良い信頼関係を気付くためのノウハウが共有されました。また、外部の専門家や機関に相談した方が良い場合の事例なども学び、保護者も一人で悩むのではなく、他の人の手を借りながら子どもたちをより良い方向へ導く手法が紹介されました。
保護者フォーラムでは、保護者やカウンセラーが子どもの権利や虐待についての正しい知識を地域で啓発していく役割を担っているということが確認され、地域で啓発活動を実施するための計画が立てられました。
時には専門家など周りの人の手を借りながら、子どもたちが安心して暮らせる環境を作っていかれるよう、カウンセラーや保護者たちが手を取り合って、地域を変えていってほしいですね!
文責:谷澤