2014年10月からスタートしたペーパービーズ事業が1年を迎えました。この事業は、ウガンダのシングルマザーの収入向上を目的に実施されています。
エイズ孤児を養うシングルマザーの多くは、一人で家庭を切り盛りしなくてはならず、収入があまり多くありません。一方で自身の子どもだけでなく、エイズで亡くなったきょうだいや親戚の子どもを引き取るケースも多く、養う子どもの数が多くなります。その結果、初等教育を修了せずに中退してしまう子どももいます(高学年ほど教育費が高くなり、中退しやすくなります。また教育費は学期ごと(3学期制)に支払うため、学年の途中でも中退や休学をする可能性もあります)。
ウガンダは国のHIV感染率が7.3%(UNAIDS 2014)と高い地域です。国によるエイズ治療薬(ARV)の無償提供が開始されても(ウガンダでは1998年より一部の医療施設で開始)、HIVやエイズに対する偏見や誤った認識、薬を取りに行くための交通費の不足等から、治療へのアクセスはすぐには向上せず、その間にエイズが原因で亡くなる方もいました(現在でも、薬が必要な人で薬を受領している人は70%程度)。
片親または両親をエイズで亡くした子どもたちを「エイズ孤児」と呼びます。親が亡くなることで家庭の経済レベルは影響を受けます。周囲からはエイズで亡くなった親のことで差別を受けることもあります。ウガンダでは約100万人のエイズ孤児がいると言われており、プラスではエイズ孤児が前向きに生きられるよう支援をしています。
みなさまからのご支援を賜り、こうしたシングルマザーとその子どもたちを対象に、ペーパービーズ事業は2014年の10月よりスタートしました。
事業はウガンダの2つの現地パートナー団体と共同で実施しており、合わせて16名のお母さんとその子どもたち63名が支援を受けています。現在までに初等教育を中退・休学した子どもはいません(学年の途中でも各学期の学費の支払いが滞ると休学しなくてはなりません)。
お母さんたちが一つ一つ手作りしたネックレスはプラスのWebショップで購入していただけます。どんなネックレスが出来上がったのか見ていただくだけでも構いません!
▶ プラス・チャリティーWEBショップへ
こうして1年間事業が継続できたのもみなさまからのご支援の結果でございます。事業は引き続き実施していきますので、今後ともご支援の程お願いいたします。
参考資料
UNAIDS, HIV and AIDS estimates (2014), http://www.unaids.org/en/regionscountries/countries/uganda/ , Accessed on 12th November, 2015
UNESCO Institute for Statistics, Data Centre, http://data.uis.unesco.org/ , Accessed on 12th November, 2015
(文責:巣内)