前回の現地レポートでは、ケニアの養鶏による生計向上プロジェクトについて報告しました。
>>前回のレポート「ケニアレポート |9家庭で鶏舎が完成!各家庭に100羽のヒナを配布」はこちら
ヒナを育て始めた各家庭に、専門家が訪問し、アドバイスを行っています。
ママたちがいま、どんなことに直面しているのか、その奮闘ぶりをお届けします。
7月の訪問では、一家庭にその地域のママたちを集め、さまざまな質問や悩みに答えました。
また、その後、一家庭ずつを訪問して、現場を見ながらアドバイスをしていきました。
ママたちの養鶏のお悩みごとは?
ママたちを集めたセッションでは、様々な悩み事が出てきました。
話を聞いていくと、お悩みは共通点が多くありました。
大まかに分類してみると、みえてきたのは主に3つの課題でした。
・鶏舎について、換気やお手入れはどうしたらいい?
・病気の症状と、その見極め方はどうしたらいい?
・エサを鶏が食べ過ぎているのではないか?
専門家からの5つのアドバイス
こうしたお悩みに、以下のようなことがアドバイスされました。
1)鶏舎は100羽が一日中過ごすには小さい可能性がある。
昼間は建物のドアを開けておき、行き来できるようにしましょう。
2)他の鶏をつついたり羽をむしったりするのはカルシウム不足。
野菜等をもっと与えるようにしましょう。
ただし新しい種類の餌は少しずつ慣れさること!
また調理で出た生ごみや食べ残しをあげてもいいけど、塩分があるものはNG。
3)鶏舎に入る際には、抗菌長靴で入るのが望ましい。
また、鶏舎には他人が侵入しないように。
4)鶏舎のセキュリティに気を付け、鶏を食べようとする動物の侵入を防ぎましょう!
鶏舎にある穴や切れ目は塞ぎましょう。
5)咳、くしゃみ、目の病気は、「Biotrimvet」という薬で治療しましょう。
対話を大切にする姿勢
アドバイスの際は、ママたちとの対話を大切にしています。
例えば「餌が不足しているかもしれない」というお悩みに、どう答えたらいいでしょうか?
わたしたちは、まずは「昨日、どのくらいの量の餌をあげましたか?」と質問します。
「昨日」「どのくらいの量」と聞くことで、具体的な回答が返ってきます。
「昨日」「どのように餌を測り」「それをどれくらい」あげたのかを知ることができるのです。
対話をしていくうちに、「何グラム」「何ポンド」の餌をあげるというアドバイスでは不十分だとわかってきました。
普段地域のママたちの多くが使っている共通の大きさのカップがあることがわかり、「そのカップで測ると一日どれくらいのえさの量か?」を基準とすることになりました。
こうして、お悩みごとを一つ一つ確認し、つぶしていきます。
地道な作業ですが、成果につながる大切な作業です。