カフェによる生計向上事業とは。
この事業では、HIV陽性のシングルマザーに村でカフェを開業するためのスキル研修を実施し、開業の支援をしています。
シングルマザーたちは数人のエイズ孤児を抱えており、経済的な理由から子どもたちを学校に通わせ続けることができるか、不安を抱えていました。
(写真:カフェで出すマフィン)
新たに10人のシングルマザーがカフェ開業へ
10人のシングルマザーたちが、新たにカフェ開業の支援を受けることになりました。
3-4人のグループで、クルレ村、ブスラ村、ンデジェ村の3つの村にそれぞれ小さなカフェを開業します。
支援を受けるシングルマザーは、「より困っている方に」「一方で、働くことができる方に」という考え方で、いくつかの条件をもとに現地のパートナー団体により選ばれました。例えば以下のような条件です。
- シングルマザーであること
- HIV陽性であること
- 子どもが3人以上いること
- 40歳以下であること
- 農業などで収益が低いこと
今日はクルレ村の3名の方をご紹介します。
(写真:カフェの打ち合わせ中のスタッフ巣内とシングルマザーたち)
クルレ村の3人のシングルマザーたち
ローズさんは1984年生まれ。夫をHIVで亡くし、女手一つで6人の子どもを育てています。そのうち2人は引き取った子どもです。
以前レストランで働いた経験があり、3院の中では一番料理が得意です。
アンティさんは82年生まれ。夫を事故で亡くし、6人の子どもを育ててきました。小学校は5年生を終えて中退しました。積極的に話す明るい女性です。
アイシャさんは79年生まれ。9人の子どもを育てており、うち2人は引き取った子どもです。HIV陽性がわかったのちに、夫がいなくなってしまいました。
元々友人同士だった3人。これからのカフェ事業をとても楽しみにしてくださっていました。
「支援を受ける」だけではないカフェビジネス
このカフェの支援事業では受益者からの負担も求めています。
それは「支援を受ける」という「受け身」の姿勢では「ビジネス」としてカフェをやっていくことが難しいからです。
また、PLASでは、「自立」を大切にしており、最終的にはPLASからの支援を卒業し、シングルマザーたちだけで事業を回していってほしいと願っています。
そこで、一部の資器材の購入などは開業初期投資の支援に加えて、一部を本人が負担して購入してもらいます。これにより、資材を大切にする気持ちも自然と芽生えてくるのです。
例えばイスなどを購入する際に事業から5万シリング拠出し、受益者も5千シリング負担する必要があります。
共に働くチームになる
カフェビジネスはチームワークが大切。
「共に一生懸命に働いていこう!」と、3人で意思を確認し合っていました。
またそれぞれに農業もされているので、農繁期などは、手分けしてお互いの畑の世話もできるようにシフトを回していくなど、3人でアイデアを出し合っていらっしゃいました。