2018年6月~8月に多くの方にご協力をいただいたクラウドファンディング「エイズと共に生きる、ウガンダの若者の未来をつくる職業訓練を!」のプロジェクトの進捗をレポートします。
対象となるのは、自身がHIV陽性だったり元エイズ孤児だったエイズに影響を受ける若者たち(18歳~25歳前後)。
彼らはHIV/エイズの影響で、健康面の問題と偏見や差別・それによる就業機会の逸失という問題を抱えています。
そんな彼らに対して、スモールビジネスのための職業訓練とビジネス開始の初期投資を行い、彼らが自立して自らの未来を切り拓いてゆける社会を実現しようとするのがこのプロジェクトです。
対象地域の選定と、HIV陽性の若者たちへの説明会を開始
職業技術訓練では、農業、ネイル、ヘアメイク、キャンドルメイキング、石鹸づくり、マッサージやエステなど、現地でポピュラーなビジネスに必要なスキルを習得します。
まず、これらのビジネスが成り立つような、マーケットがある程度発展している地域をPLASとパートナー団体のマルチパーパスで8か所、プロジェクト対象地域の中から選定しました。
そして、プロジェクトに参加予定の若者グループ(※)への説明会を実施しました。
3月からが本格的な事業の開始となりますが、11月からこれまでの期間は、彼らとの関わりを大切にし、プロジェクトへの理解を深め、彼ら自身にも参加する準備をしてもらう時間となっています。
※若者たちは5人ほどのチームになってこの自立プログラムに参加します。
自分の生活や家庭に必要な技術や知識を習得するだけでなく、チームとなってお互いに支えあうことで、HIV治療の面でも適切な定期的投薬を促進するなど好影響を与えることが期待できます。
下の写真は11月6日にNsawoという地域の若者への説明会を実施した時の様子。
20歳から26歳まで、7名が参加しました。
事業の説明をする海外事業マネージャー・巣内
「自分のプロジェクト」にするために
説明会が終わると、プロジェクトに参加するための貯蓄活動を各グループで開始します。
このプロジェクトの事業に参加しビジネス始める資金を、完全に全額PLASからの支援ではなく、ごくわずかですが一部を若者自身も拠出するのです。
事業開始までの間、グループごと定期的に集まって小額ずつ貯蓄をし、基準額に達した人が研修や事業に参加できます。
集まるペースや1回の貯蓄額は目安をこちらから伝えますが、最終的にはグループごとにメンバー同士で決めてもらいます。
彼らがこのプロジェクトを「与えられたもの」ではなく「自分のプロジェクト」として認識し、プロジェクトに参加することで【自立】して、PLASの手が離れた後も自らの手で自らの未来を切り拓いてゆけるようになること。
彼らが、自信をもって前向きに生きてゆけるようになること。
それがこのプロジェクトの最終目標の姿であり、PLASの活動ポリシー「あげる支援ではなくつくる支援」が意味することです。
そのためには、彼ら自身にこのプロジェクトを自分事にしてもらう必要があります。
たとえほんのわずかな一部の額でも彼ら自身が積み立てて参加し、自分自身のプロジェクトとしてオーナーシップを育てると同時に、ビジネスが始まったあと自分で生計を管理できるようにするための訓練はすでに今の段階から始まっているのです。
先ほどのNsawoの若者たちは、メンバーで話し合った結果、月に2回、3000シリング(100円程度)で、計6000シリング(200円程度)/月を一人一人が積み立てることで合意しました。
また、貯蓄のためののための定期集会は毎月15日、30日の16時から開催。
若者たちは「日曜日であっても、集まろう」と約束していました。
貯蓄を記録するノート(上:表紙 下:中のページ)
この職業訓練に参加する若者は、最終的に合計10組のグループ・50名になります。
2018年11月現在、6グループ25名に対して説明会を行いました。
事業が始まるまで、引き続き彼らとの関係づくりと本格的開始に向けた準備をパートナー団体とともに進めてゆきます。