子ども達の「なりたい人」を支える活動を。
前回は、PLASがケニアのビタで実施しているライフプランニングの力を育てることを目指すSCOPE(スコープ)事業について、現地の学校教員を対象とした活動をレポートしました。
学校では、子ども達のキャリアや進路を調査する時間が割けず、子ども達に「どんな人になりたいか」を考えるきっかけを持ってもらう場がありません。
ライフプランニング事業SCOPE(スコープ)は、現地スタッフが各家庭に訪問して、個別カウンセリングを通して将来に対する考え方や親子でのコミュニケーションの改善を図っています。
今回は、ライフプランニングの支援を受けている家族たちが、カウンセリングを通してどのような変化を感じているのかインタビューをしてきたので、ご紹介します。
夢の叶え方を知るきっかけをありがとう。
「お母さんと兄弟が3人います。お父さんは私がまだ幼い頃に亡くなりました。私たち兄弟の学費、食費などはお母さんがなんとか工面しています。以前、学校の試験で失敗してしまいましたが、それ以来学校の勉強を頑張っています。
この事業に参加できるとわかった時は、とても嬉しかったです。なぜなら、夢を実現するための助言や知識をもらえるからです。教養のある女優になることをずっと夢見ています。」
(プライリー 13歳 女の子)
子どもの将来を信じるようになりました。
「息子フィリップの将来に希望を失っていました。息子の進学をどのように計画すればよいかなんて知らなかったのです。うちのようにお金がないところだと余計に。
息子が小学校の最終学年に上がると、次の進学のことを考えなければならないので、それを遅らせるために子どもを留年させてしまいました。学校の先生も息子が勉強に励んでいるのを知っていたのに。だから息子はクラスで他の子どもたちよりも年齢が上なんです。
ライフプランイング支援事業に参加したことで、子どもの夢を応援できるようになりました。今は息子のために、出来ることなら何でもしてやりたいと思えます。未来を信じることができるからです。事業で学んだ宿題の手伝い方も実践しています。」
(パメラ 30歳 母親)
夢を叶える為に息子が勉強をするように。
「夫が亡くなって以来、経済的に苦しく子ども3人を育てるのに余裕がない中でやってきました。長男のコリンズは勉強や家の手伝いをせず、学校から帰ると外で遊ぶ毎日でした。しかし、ライフプランイング支援でのカウンセリングを通じて、コリンズは自分の夢を叶えるために継続した努力が必要であることを悟ったようです。
私もこの事業で学んだコミュニケーションスキルで子ども達への接し方を学びました。すると、放課後もコリンズは学校に残り、勉強を続けるようになりました。生活態度も良くなり、担任の先生からも褒められたんです。
こうした変化は事業のおかげだと思っています。コリンズの夢は航空技術者になることです。これからも勉強に励んでくれることを願っています。」
(ミリセント 40歳 母親)
より多くの家族に「将来の希望」を届けたい。
2016年から始まったこの事業を通して、カウンセリングを受けた子ども・保護者のインタビューでは、実際に子どもの成績が上がったという声、学校の教員から学習意欲が高まったという声が今回ご紹介した以外にも、多く寄せられました。
これからもより多くの家庭で、「子どもの将来」を子ども本人もそして家族も力を合わせて叶えていける、そんなきっかけとなる活動をPLASは続けていきます。
次の現地レポートでは、同事業に参加する保護者からの声をさらにご紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください!