”ここで暮らしても未来はない”
ウガンダでは若者の失業が社会問題になっていますが、HIV陽性の若者たちはその中でも特に不利な状況に置かれています。
彼らは治療のために定期的な通院や投薬が必要です。しかし、体調不良や欠勤により職場にHIV感染が伝わると、差別や偏見を受けたり、不採用、時には解雇されるということが起こります。
「ここで暮らしても未来はない」
「自分は死ぬ運命なのだ」
そう自分の将来を悲観し、引きこもってしまう若者も少なくありません。
彼らが仕事の心配をすることなく、安定した収入と自立した生活を送り、HIVの治療にも前向きに取り組めるような支援が必要でした。
HIVと共に明るく生きる為の自立支援を
①職業技術訓練を受けることで、自分でも稼げるようなスキルを身につける。
②スキルを活かす仕事を始められる状態にする
この2点をクリアすることで、HIV陽性の若者たちも経済的に自立した生活を送ることが出来るようになると考え、PLASでは彼らに対して職業訓練研修を実施しています。
農業、ネイル、ヘアードレッシング、軽食つくり、ノート作りなど、現地で人気があり、需要も高い職種の中から複数を選択して受講することで、若者たちが自分の関心のある分野、そして地元でのニーズに柔軟に対応出来るようになっています。
ヘアードレッシングの研修現場へ
この日行われていたヘアードレッシング研修への参加予定者は50名でしたが、実際の参加者は35名。子どもを持っているお母さん達が多く、「病院へ行く」、「家の用事が忙しいから」という理由で欠席者が出来ることも多いです。
特にこのヘアードレッシングの研修は長期間にわたるため、参加者のモチベーションをいかに保ち、きちんと出席して独立するために必要なスキルをつけてもらうかも、課題の1つになっています。
単なる技術指導だけでは終わらせない
午後からのヘアードレッシングの実技研修の前に、午前中には改めてプロジェクトの目標を伝えたり、ビジネスで必要な考え方を学ぶためのアクティビティも用意しました。
参加者の学力は様々で、中には文字を書いたり読んだりすることが苦手な人もいます。そこで、アクティビティでは、グループになってペーパータワー作りを実施しました。
紙だけで出来るだけ高いタワーをどうすれば作れるのか、アイディアを出し合ってTry and errorを繰り返すやり方はビジネスも同じだと伝えます。
ブレイドヘアに挑戦!
午後からの実技研修では、海外事業マネージャーの三関がモデルになってきました。
ブレイドとは「三つ編み・編み込み」のヘアスタイルのことを指します。
このプロジェクトは、PLASが単独で一方的に支援・提供するものではなく、近い将来の地域の自立を視野に入れて、現地のパートナーNGO団体「マルチパーパス」と協働で行っています。
次回は職業訓練の別プログラム「農業研修」の様子をお届けしますので、お楽しみに!