カフェをつつむ焼きたてパンの香り
ウガンダで実施している「カフェ事業」は、HIV陽性のシングルマザーたちがカフェビジネスをスタートできるよう初期投資や研修、カフェを開店した後のフォローアップを届けています。
カフェビジネスで収入を生み出し、子どもの教育費にあてられるよう奮闘しているシングルマザーたち。
今回の出張では、カフェをはじめて7ヶ月になるシングルマザー3人を訪ねました。
順調にカフェを経営しているシングルマザーたちですが、常に意識しているのは「自分たちのカフェをどう差別化するか」です。
大きな町でカフェを開くと、似たような食事やスナックを販売している競合店がちらほら目につきます。
そうしたなかで、自分たちのカフェを差別化することは簡単ではありません。
ふっくら焼きあがったパン。見るからにおいしそう!
この日に訪問したシングルマザーたちが見つけた答えは、「焼きたてのパン」。
ウガンダでも食パンを食べる習慣があり、包装された一斤のパンがキオスクやスーパーに並んでいる光景はあちこちにみられます。
おいしいパンを届けたい!腕を磨いたシングルマザー
カフェ事業では、シングルマザーたちはさまざまな研修に参加できます。
そのひとつが「ベーカリー研修」。
研修に参加しながらパン作りの腕前を磨いてきた彼女たちの努力がみのり、コッペパンのような焼きたてパンを販売したところ、飛ぶように売れて1日に2回も焼いています。
見た目もまるっとしたフォルムでかわいらしいパンです。
大きな工場で量産された食パンよりも、毎朝焼いている手作りパンがおいしいのはウガンダも同じなのかもしれません。
(写真)焼きあがったパンをPLASの支援で届けたオーブンから取りだす。
焼きたてのパンをいただくと、ふっくらしてとてもおいしいのです!
柔らかいパンのかおりが口のなかにふんわり広がるだけで、幸せな気持ちになります。
「毎朝このパンを食べたい!」と伝えると、「毎日カフェに来なきゃ!」と笑顔で冗談を言われました(彼女たちのカフェに行くには、私たちが協働している現地パートナーの事務所からバイクで45分)。
収入が増えて、自信につながる
今年の3月からカフェをオープンしたシングルマザーたちは、少しずつ収入も増えて、自信につながっているようです。
こうして安定して売り上げが上がることが自立への大きな一歩となっています。
そしてこの一歩は、子どもたちにとっても大きな一歩へとつながるのです。
安定した収入によって子どもの教育費を払えるようになり、子どもたちが学校に通い続けられるようになることで、子どもたちも将来を夢見ることができるようになります。
PLASはこれからもHIV陽性のシングルマザーとその子どもたちを支援していきます。
シングルマザーと子どもたちの未来を支えてくださるみなさまのご支援に心より感謝申しあげます。
(写真)この日に訪問したシングルマザーたちと一緒に。