ウガンダで実施している「カフェ事業」は、HIV陽性のシングルマザーたちがカフェビジネスをスタートできるよう初期投資や研修、カフェを開店した後のフォローアップを届けています。
ビジネスの難しさと向き合いながら、自分たちらしく仕事に取り組むシングルマザーをご紹介していきます。
ロールモデルのようなカフェ
PLASのカフェ事業で立ち上がったカフェは現在10ヶ所あります。今回訪問したのは、その中でも一番売上の高い店舗です。日々の売上の管理も徹底されていて、お店自体もきれいに保たれています。
またリーダー的な存在のアイシャという、シングルマザーの接客が「とても良い」と評判で、固定客もたくさんいます。最近では、自分たちで貯めたお金で、カフェ用の新しい椅子とテーブルを購入するなどの投資も始めました。
病気と向き合いながら、働く日々
このカフェで働くシングルマザーは3人いますが、そのうちの1人が結核にかかり自宅で療養中のため、仕事を休んでいました。抗HIV薬を飲んでいなかった時もあったため、免疫が低下していた可能があるといいます。今の段階では、復帰の目処は立っていません。
彼女の代わりにアイシャ(リーダーとは別のアイシャ)という女性が現在はサポートに入っていて、毎日少額の給与を渡しているとのこと。入院してすぐは2人で大変でしたが、今はお手伝いに来てくれるアイシャがいるので、問題はないそうです。
実は、元々働いているシングルマザーの名前もアイシャ、そして彼女がカフェに連れてきている末っ子の名前もアイシャというので、「このカフェには3人のアイシャがいる!」と笑いながら盛り上がる一場面もありました。
将来は医者になって地元に貢献したい!
アイシャの子ども達が学校帰りにカフェに寄ってくれたので、おしゃべりをしてきました。長男であるムビル・シャフィック君は、現在高校1年生。10歳と9歳の弟がいて、末の妹がお母さんとカフェに出勤する9カ月のアイシャです。
ムビル・シャフィック君が小学校7年生の時にはクラスで1位の成績を取ったこともあり、現在は理系の科目を中心に学んでいます。中でも一番得意なのは生物学でテストではいつも90点を超えているそうです。
彼は高校を卒業した後、ウガンダで一番有名で学力の高いマケレレ大学か、イギリスのケンブリッリに行きたいそうで、将来の夢は医者になり、地元に貢献すること。
アイシャだけでなく、カフェビジネスで収入を生み出し、子どもの教育費にあてられるよう奮闘しているシングルマザーたち。
安定してカフェの売り上げが上がることが自立への大きな一歩に。子どもたちが学校に通い続けられるようになることで、子どもたちも将来を夢見ることができるようになります。
それでも、大学の教育費を捻出することは、一番売り上げが高いこのカフェでも難しいことです。でも、ムビル君には是非夢を叶えて欲しいとPLASも願っています。よい成績を取って大学への奨学金が取れるように現地団体と引き続きサポートしていきたいと思います。
ビジネス未経験者のシングルマザー達
「カフェ事業」に関わるシングルマザー達は、みんなビジネスをすること自体が初めてのメンバーばかりです。そんな中で、固定客を持つアイシャのように、明るいコミュニケーションを取れるメンバーがいるグループは、その人が中心になって、積極的にビジネスをしているように感じました。
手際よく準備をしたり、やりたいビジネスを自発的に描けています。そして、接客業が苦手なシャイなメンバーを引っ張っていってくれています。
10ヶ所カフェすべてにそういったリーダー的存在のメンバーがいるわけではありません。ビジネスが苦手なメンバーが集まった場合には、週交代でカフェに出る等の工夫をして、できる限りメンバーがあきらめてしまわないようにこれからもサポートしていきます。
こうした支援を続けることができるのは、日本から支えてくださる支援者のみなさんのおかげです。本当にありがとうございます!これからもみなさんのご寄付、応援をアフリカにしっかりと届けてまいります。