PLASの事業のひとつに、シングル家庭を対象とした「ライフプランニング支援」があり、子どもと保護者の両方にカウンセリングを行っています。
保護者が、子ども達の発達や教育に関する「保護者としての必要な知識」を身につけて、子どもたちが自分の意志で将来を計画し、選択できる力をつけるための適切なアプローチが出来るよう、カウンセリングを通してサポートをしています。
2019年9月、現地パートナービアジェンコのユースセンターにてライフプランニング支援を受ける子どもたちを中心に、「絵本をみんなで読む研修会」を行いました。
失われつつあるおばあちゃんの「昔話」
日本でも、昔はよくおじいちゃんやおばあちゃんが孫や、近所の子ども達に昔話をしている光景がありましたよね。昔話から、子ども達は教訓や歴史を学ぶ機会がありましたが、それも徐々に減りつつります。それはケニアでも同じです。
「絵本をみんなで読む研修会」は、子どもたちへのカウンセリングの一環として、カウンセリングを受けている子どもたちが「絵本読み聞かせ活動」で地域に活躍できる場をつくっていこうというものです。年齢の高い子どもたちが地域の小さな子どもたち向けに絵本の読み聞かせをします。
地域に貢献できる場ができるだけでなく、絵本を通して、子ども達に何かを学んだり考えたりして欲しいという想いもあります。
今回は6名の子どもを招待する予定だったのですが、呼ばれた子ども達が近所の友達にも声を掛けてしまったため、急遽8名となりました。
初めての絵本に悪戦苦闘
当日は子ども達には2人一組になってもらい、みんなの前でそれぞれ絵本を読んで貰いました。
みんな絵本を読むのが初めてだったため、4グループが読み終わるのに2時間程度かかってしまいました。そのため、後半は子どもたちが眠たそうにしたり、疲れている様子もありましたが、全体的には子ども達は楽しそうに本を読みながら、物語を通して何を伝えたいのか考えていました。
子ども達にもっと絵本に触れる機会を
英語の絵本なので子ども達にとっては、読むのが難しかったり、意味がわからない単語もあったようです。子ども達の年齢によっては、スワヒリ語やルオ語の本がある方が良いという気づきもありました。
特に、ルオ族については言い伝える人自体が少なくなってきたそうなので、ルオ族特有の昔話をPLASで絵本化して、子どもたちに配布するのも良いかもしれません。自分たちの歴史や文化を学ぶ機会は、子ども達のアイデンティティや人格形成にも良い影響を与えてくれると思います。
また今回の絵本は、借りてきたものだったので、子ども達は継続して読むことが出来ません。常に子ども達の手元に何冊かの英語の絵本があれば、読むスピードも速くなりますし、その分ストーリーにも集中して、より深い学びに繋がるのに・・・との思いもありました。
まだまだ、企画自体の試行錯誤の段階ではありますが、本を読むことを通して「読む」という習慣だけではなく、想像力や友達との内容の話合いを通して、多くのことを子ども達には受け取って欲しいと願っています。
こうした支援を続けることができるのは、日本から支えてくださる支援者のみなさんのおかげです。本当にありがとうございます!
これからもみなさんのご寄付、応援をアフリカにしっかりと届けてまいります。