PLASが、ウガンダでのパートナー団体カユンガと共同で行っている事業に「HIV陽性者家庭の生計向上・栄養改善のための在来種野菜栽培支援」があります。
通称SHINEと呼ばれているこの事業は、この土地で昔から育てられてきた、乾燥に強い在来種野菜を組み合わせることで、安定した生計を立てられるよう支援をするものです。
前回の記事では新たに支援することが決定した人達への「農業研修」の様子をレポートしました!
今回は、昨年の12月に終了したSHINE第1期のプロジェクト参加者たちのその後の暮らしをヒアリングに行きました。
最年長参加者は86歳!
Kagoda Zelilensi(カゴダ・ゼィレンシ)さんは最年長の86歳!夫は3年前に老衰のため他界しました。
足の痛みがあり、血圧も不安定なので、彼女自身は農業はやっていません。研修にもなかなか参加することが出来ていなかったようでした。
娘家族たちと暮らしているため、日常生活は娘さんたちが手伝ってくれているそうです。(写真右2人が娘さんたち)
ゼィレンシさんの家は持ち家で土地を持っているため、スクマウィキ(ほうれん草のような野菜)やナス、かぼちゃ、Entula(アフリカの茄子)など数種類の野菜を栽培していました。畑は主に一緒に暮らしている家族がやってくれているそうです。
また、敷地内に水タンクを持っているので、乾期の水不足の時期にはタンクが役に立ちました。
また、アボカド、ジャックフルーツ、マンゴー等の木もたくさんあり、ヤギ5,6頭、地場の鶏も数匹飼っています。
ゼィレンシさんは血圧のこともあり、市内にある病院に通っていて、そこで血圧チェックも含めて、血液中のウイルス濃度のテストや、治療薬も貰っています。
抗HIV薬を飲むことによって、血液中のウイルス濃度を下げることができます。薬を飲みに行くときはヘルスセンターで血液中のウイルス濃度を毎回確認してもらっていますが、交通費が払えず病院に行けないときには、治療薬を飲まなくなることもあるそうです。
農業研修は終わっても引き続き貯蓄活動には参加予定で、前回の貯蓄は医療費に使いました。
小さなスペースでも農業を!
自宅裏の小さなスペースで農業を続けている。Entula(エントゥラさん)。畑の代わりに、袋を使ってかぼちゃ。マッシュルームを育てています。
土地を借りて農業はやっておらず、貯蓄を使って作り方を知っていた、パンケーキ販売に切り変えたそうです。毎日近くの小学校で商売をしています。
お昼時でレンズマメのスープとポショをごちそうになりました!玉ねぎ、ピーマン、ニンジンが入った栄養価の高いスープでした。
月に2回ヘルスセンターに行っているそうで、今回訪問した中では一番頻繁に通っていました。
エントゥラさんの子どもはHIV検査を受けていないということだったので、「次回の研修の際に検査できるといったら、子どものHIV検査を希望する?」と聞いたところ、「受けさせたい!」ということでした。
HIVケアや栄養研修はこれからも!
SHINE第1期のプロジェクトが終了したとはいっても、参加者には引き続き栄養やHIVケアに関する研修は定期的に開催していく予定です。
HIVケアの際には、病院からカウンセラーにHIV検査キットも持ってきてもらうので、エントゥラさんのように検査を希望する子ども達を連れてきてもらえます。
2年間で農業を通して増えた収入、そして定期的な貯蓄活動をすることで、子ども達の学費を払ったり、定期的な通院と治療代にしたり、もしくは家畜を飼ったり、ビジネスを大きくできたりする未来をこれからもどんどん広げていきます!
新型コロナウイルスの影響は・・・
IV陽性者家庭の生計向上・栄養改善のための在来種野菜栽培支援は、一部のサイトで中断していると前回報告していましたが、現在、全5サイトで実施できるようになりました!
3~5月の大雨季が終了しかけていますが、今年は雨量が多く、6月も在来野菜を植え、収獲ができています。受益者が集まりグループで貯蓄するため等の集会は引き続き自粛をしています。
<緊急支援の状況>
HIV陽性者50世帯に食糧と石鹸を配布しました!
クラウドファンディングの支援募集終了以降も、さまざまな寄付や助成金などより支援を募り、活動を広げていく準備を行っています。
是非、継続的に活動を応援、支援してくださる方がいらっしゃいましたら、PLASのマンスリーサポーターをご検討いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。