PLASの現地活動ウガンダプロジェクト-CAFE現地レポート

カフェ事業の2期に参加したアイシャさんの訃報

こんにちは、海外事業マネージャーの三関です。

今日は、ご支援者の皆さんに残念なお知らせがあります。

 

ウガンダで当会が実施しているカフェ事業の2期(2018年10月~2019年9月)に参加していたアイシャさんが、10月3日の夜に亡くなりました。

 

友人と電話していたそうですが、急に倒れて、そのまま亡くなり、原因はわかりませんでした。

彼女はHIV陽性者ですが、毎日薬を飲んでいて体調に問題がなく、急なことに家族や現地のスタッフも驚いています。

 

写真:カフェを開始するころ。カルレのグループメンバーとスタッフ。一番右がアイシャ。

 

カフェ2期は、リーダーシップを取るキャラの濃い2人のママがいて、アイシャはそれに比べると比較的静かで大人しいタイプでした。

パートナー団体のマルチパーパスの事務所があるカルレにカフェを構えていたため、私は出張の時に毎日のように彼女のパイナップルジュースを飲んでいました。

彼女は英語が苦手なため、私とは挨拶だけして、うまくコミュニケーションが取れないけど、いつも笑顔で迎えてくれてハグしてくれました。事務所から近いために、よく日本から事業地に来てくださった方もアイシャのカフェに連れていきました。

 

写真:カフェの前で。海外事担当とアイシャ。

 

ちょっと不器用な彼女は、いつもマルチパーパスのスタッフから、「お店を掃除して~」「スナックの販売はもっと早い時間から!」等々、おしりを叩かれながら、働いていました。3人グループのカフェで、不器用なアイシャが中心になってなんとか頑張ってきました。

 

昨年、アイシャの息子が警察に捕まってしまい、多額の罰金を支払うために、家畜のヤギを売り払ってしまい、財産がほぼなくなってしまうという事件もありました。

そのために、毎月支払ってもらっているコストシェアリングが他のサイトより遅れてしまい、数か月待っても支払いが終わらないため、アイシャのいるカルレを除いて卒業式をやろうと決めました。

それを聞いたアイシャがカフェと農業をがんばり、なんとか収入をかき集め、卒業式までにコストシェアリングの支払いを終了させたのです。

卒業式に出席するときには、ユースの支援事業BRIGHTの若者に、髪の毛をセットしてもらい、アイシャはおめかしして、卒業式に参加しました。

あの時の楽しそうに踊って謳っているアイシャが目に浮かびます。

 

写真:卒業証書と一緒に。海外事担当とアイシャ。

 

アイシャは38歳。小学校3年生で中退したため、小学校さえ卒業できませんでした。

夫は亡くなって、9人の子どもの面倒を見ていました。5人が実子で、4人は亡くなった兄弟の子どもでした。カフェのおかげで教育費が払えていました。

今後誰が子どもたちを引き取って育てていくのかは親族で相談することになると思います。

 

アイシャは、PLASの支援を受けるまでは、農業だけで収入を得ていました。

子どもたちの食べるものも十分に買えない状況でした。

そこで、2018年からPLASの事業に参加してカフェビジネスを始めたのです。

カフェに参加できて本当によかったと会うたびに嬉しそうに話してくれました。

 

「アイシャ、PLASはあなたの人生を少しでも変えることができた?子どもたちと少しでも楽しい時間を過ごすことができた?」

 

PLASとマルチパーパスが、カフェのママたちを支援するのは、彼女たちの人生の中のたった2年です。でも、この2年で、自分でお金を稼げるようになり、家族を支えられるようになり、自分にも自信ができるようになっていきます。

HIV陽性者だからといって、引け目を感じることなどもうありません。

 

アイシャの人生の中の最後の2年に、PLASとマルチパーパスが関われて本当によかったと思います。子どもたちが心配だろうけど、朝から晩までカフェで働いて、疲れているだろうからゆっくり休んでね、アイシャ。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 

写真:カフェの前で。海外事担当とアイシャ。