PLASの現地活動プロジェクト-新型コロナウイルス緊急支援現地レポート

ウガンダレポート| GENERYSさまより、ウガンダのHIV陽性者へ物資支援が届けられました。ー後編ー

 

この度、異世代間交流・協働・共創ネットワークのGENERYSさまから、新型コロナウイルス感染症蔓延により生活が苦しくなっている人々を支援したいというお話をいただき、ウガンダのルウェロ県、HIV陽性者と家族のコニュニティにマスク、消毒液、体温計を配布することが出来ました。

 

 

10月末日、GENERYS山林さまのご協力のもと、マスクを配布した人々へのインタビューが行われました。後編となる今回は引き続き、現地のインタビューと人々の話を通じて見えてきた課題、そして山林さま自身が体験された現地の人々の思いやりについてご紹介します。

マスク着用と手の消毒をしています

Violet (18歳・女性) コロナの影響で学校が閉鎖されたため、現在家事手伝いをする高校生。

 「マスクは自分と他者の安全のために着けるものであることを知っています。マスクを汚さないように、触る前は消毒液で手を清潔にしています」と話す聡明な印象の女の子で、マスクを自分の顔にフィットするように誰にも言われなくても 耳ゴムを短くして調整していました。 

マスクをくださった方に会えて嬉しいです

Deo(26歳・男性) ジャーナリストを目指す青年。

政府の配給マスクがありますが、長期間待たなければならないので、今回の無料配布はとてもありがたいです。コロナ状況下で人々は以前よりもっと 働かなければ生きていけなくなった。生活は厳しいです。」と話す、筆記用具持参でインタビューに備えてくれた快活な若者でした。

今回マスクを配布してくださった方に会いたいと思っていたので話せて嬉しいです!」と喜んでインタビューを受けてくれました。

「ちいさな力が未来をつなぐ」

一方、対面インタビューやグループの中の声として目立ち、サポートが必要と感じたものに、

 

  • 食糧の配給量と配布平等性の改善(配給量増加の必要性、また家族ごとでなく人数ごとに配布量を決定することの必要性) 
  • 支援が十分でないメンバーの洗い出しと解決(自身は罹患者だが保護者がそうでない場合等の支援体制の確認)
  •  現金収入が得られるビジネスの立ち上げ(養豚、養鶏が候補として挙がっていた)
  •  グループ内の連絡手段の設立(現在グループの集まりなどの重要な連絡事項を伝える手段がないため、配布物などが配布されない可能性があるとのこと) 
  • 現在対象外である衣服の配給について 
  • 現在個々で取り寄せている薬を、まとめて取り寄せられないか 

 

等がありました。PLASでも引き続き、現地の方々の声に寄り添いながらマルチパーパスと共にしっかりと支援を届けて参ります。

 

皆さまの日頃の温かいご支援は、受益者である各村の皆さん、そしてマルチパーパスのスタッフに確実に届き、非常に感謝していると多数の声をいただきました。この場を借りてPLASからも御礼申し上げます。

「ちいさな力が未来をつなぐ」。それぞれ属されているネットワークや会社の同僚や同窓会、趣味の会などの方々が、小さな「力」を出し合い、生活に困窮している人々を支援するやり方をGENERYSさまのご支援が一つの例として示してくれたのだと思います。この度は誠にありがとうございました。

少年の夢を実現するために出来ることを

最後に、今回のインタビューで山林様が強く印象に残ったという男の子をご紹介します。

 

George(15歳・男性) 両親をエイズによりなくした中学生。

自身もHIV陽性。コロナの影響か、経済的な問題か、現在学校には行っていないと言います。

「コロナのことはよく知らない」と塞ぎ気味に語るこの少年は、元気がありません。周りに聞くと、いつもお腹を空かせているので、グループの集会があると誰かが食べ物を差し出してそれを口にしているとのこと。

保護者である叔母は仕事がなく小さな畑を耕して食糧を得ているそうです。この少年はグループ内でも特別な例とのことで、村の代表者を交えて、新たな引き取り先についての話し合いも持たれました。

少年自身が「食糧が足りないだけで叔母は悪い人ではない」と語ったため、この場はグループ代表とマルチパーパスのオフィススタッフを加えて、この少年のために食糧配布の問題を早急の解決しようとの見解を一致させました。

「将来は自動車やバイク のメカニックになりたい」という彼に十分な食糧と衣服、教育が提供されるためにはどうしたらよいか考えなければならないと、山林様は語ってくださいました。

お礼の野菜を胸に抱いて

また山林様がこの村を去る際に、訪問のお礼としてスクマウィキという地産の野菜をいただいたとのことでした。それは、首都カンパラの市場で買うよりひとまわり小さな、 そして虫食いが沢山空いた2束でしたが、それはとても貴重な彼らの食糧でもあり、少ない現金収入の元でもありました。

 

山林様は以下のような言葉を寄せてくださいました。

「皆さんの顔を思い浮かべな がら私が戴いてもよいものかと恐れを抱きながらも、折角のお心を無 駄にしないよう、有り難く頂戴してコニュニティを後にしました。

 エイズという怖い病気と闘いながら、このコロナウイルスという敵にも 立ち向かわなければならないコニュニティの皆さんは、自分より弱い 立場の尐年に食べ物を差し出したり、私のような訪問者にお礼として貴重な野菜をくれるような非常に他者を思いやれる心の優しい方々です。

皆さんの将来、特に子どもたちが明るい未来が送れるようにと願うばかりです。」