PLASでは2020年4月より、JICA(独立行政法人国際協力機構)の草の根技術協力事業として、ケニアのホマベイ郡にて「ケニア国エイズ孤児を抱える貧困家庭の生計向上とキャリアプランニング支援事業」を実施しています。
この地域も新型コロナウィルス感染症のさまざまな影響を受けています。学校や保健施設にさえ十分な手洗い環境がなかったり、マスクや体温計さえ足りない状況です。
ヘルスセンターや病院への訪問
そこで2020年11月、新型コロナウィルス感染予防活動を開始。
地域の小学校15校、ヘルスセンター18施設、病院1施設の計34施設を対象に、感染予防対策の石鹸や手洗い用水タンク、マスク、体温計の配布を行いました!
配布した手洗い用水タンク。手洗いの手順を示したシールをはりました。
ヘルスセンターへは、パートナー団体のビアジェンコが月に一回訪問しています。手洗い指導や体温計の使い方を指導していて、2021年4月まで実施する予定です。
2021年1月、ヘルスセンターでは医師や看護師によるストライキが行われていて、一時期は訪問できなかったヘルスセンターがありました。2021年2月1日から看護師はストライキを終了して、仕事に戻っています。現在でも一部の病院では一部のサービスが再開されていない現状があります。
小学校への訪問
小学校でも2020年11月に、手洗い用の水タンク、石鹸、マスク、体温計の配布をしました。2020年11月から手洗い指導や体温計の使い方を指導していて、2021年4月まで続ける予定です。
マスクを着用している子どもたち。朝礼でマスクを着用するように指示している。
小学校では登校時に、昼食前、教室に戻る際に子どもたちに手洗いをするように指導しています。
しかし、多くの学校には水道がなく、夕方には手洗い用の水タンクがなくなってしまうケースも・・・。
雨水を貯める大きなタンクがありますが、雨が少ない時期ではすぐに水を使いきってしまうため、子どもたちが登校する時に小さいボトルに水を汲み、学校に持っていくことで水を確保しています。
体温計に関しては、活動地域では「体調が悪いこと」と「熱があること」を結びつけて認識していないという課題があります。そのため、体温を測るという習慣自体ががありませんでした。
スタッフ訪問では、小学校の教師によっては、熱に対する認識が異なっていることが課題として浮かび上がってきました。
体温が何度であったら「熱がある」と判断するのか、「学校を休む」ように指導するのかについて、教師によって認識が異なっていました。「37.5度」や「38度」と答えた教師もいましたが、なかには、「知らない」と答える教師もいました。このように、体温の測定についてはまだ課題があるため、引き続き、校長先生や副校長先生だけでなく、教師全員が体温計の使用法を覚え、37.5度以上熱がある場合は欠席とするように働きかけていきます。
ポスターを使った啓発活動
また、新型コロナウイルス感染症予防の知識を広めるために、啓発ポスターの制作をすすめました。
子どもたちの絵を使った啓発ポスター。
ポスターの絵は小学校の子どもたちに描いてもらいました!感染予防のために、手洗い、マスク着用、ソーシャルディスタンスをするように、イラストで分かりやすく描かれています。
ソーシャルディスタンスを確保するのが難しい教室内。政府は追加で机を配布することを発表したが、配布されたのはほんの一部。
子どもたちと一緒にポスター作りをすることは、子どもたち自身が積極的に感染予防や啓発に参加できるようにする工夫でもあります。
ポスターでは簡単な英語を使用していて、子どもたちが絵を見て感染症対策について簡単にに理解できるように、わかりやすさを意識して作成しました。
まだまだ新型コロナウィルスの影響は収まっていませんが、子どもたちが安心して家族と暮らし通学できるように、引き続き、PLASは活動を続けて参ります。
継続的に活動を応援、支援してくださる方がいらっしゃいましたら、PLASのマンスリーサポーターをご検討いただけますと幸いです。 どうぞよろしくお願いいたします。