PLASの現地活動プロジェクト-新型コロナウイルス緊急支援

コロナ禍の緊急支援の総まとめ~「生きる」ために食糧と手洗いを届けたい~(前編)

ケニア、ウガンダでも危機的状況をもたらしている新型コロナウィルス。

PLASは2020年4月15日より、社会に取り残される人々へ、簡易手洗い場などの感染予防や食糧などの緊急支援を届けるために、寄付募集を開始しました。終了日のから2021年3月31日までに、1783人のみなさまから10,104,368円のご支援を頂戴しました。

また、みてね基金様、アーユス仏教国際協力ネットワーク様、庭野平和財団様、新公益連盟様、味の素ファンデーション様から本事業へのご助成をいただき、一部の事業は「JICA草の根技術協力事業」により実施しました。GENERYS様からもご支援を頂戴しました。

心より感謝申し上げます。

このレポートでは、みなさんのご支援やご助成により、2020年4月~2021年3月の間に実施した1年間の活動について前編、後編の二つに分けてレポートします。

貧しい人から亡くなっていく

新型コロナウイルス感染症の影響が世界中で拡大する中。2020年3月。わたしたちが活動するケニア、ウガンダの活動地域は、医療体制や衛生環境が整備されていない上に、経済悪化で食糧危機におびえる厳しい状況に置かれていました。

そんな中、ウガンダの現地パートナー団体のジョイさんは、このままでは「私たちのような貧しい人から亡くなっていく」と危機感を募らせていました。

その悲痛な声を聴き、「いますぐ、何かしなければ」とわたしたちは突き動かされました。

ロックダウン、渡航制限に直面、しかし…

すぐに緊急支援計画を立て、動き出そうとしましたが、ウガンダの現地はロックダウンしてしまい(2020年3月26日)、NGOが活動できるかどうも確証が持てない状況でした。

一方、ケニアからも同様にSOSが届き、その後1週間ほどでケニアも部分的ロックダウン(2020年4月6日)となってしまいました。

現地に渡航したいという思いとは裏腹に、コロナ禍で簡単には渡航できません。現地パートナー団体(現地の人々が立ちあげ運営するNGOやCBO)とオンラインで最新状況や受益者のニーズを汲み取りました。

支援地域は、ケニア共和国ホマベイ群ビタ準区(人口13万人)、ウガンダ共和国ジンジャ県(7万人)、同ルウェロ県(25万人)の3地域。

このうちケニアの事業地はロックダウンの対象に入っておらず、まずわたしたちはケニアでの食糧支援と手洗い場の設置を開始することにしました。

また、5月にはウガンダでの活動許可を得ることができ、ロックダウン下でも支援を届ける環境が整いました。

資金がない?!それでも食糧を支援を開始した

資金の目途が全く立たない状況の中で、「日本もコロナ禍で大変なのにどれだけの支援が集まるのか」不安を抱きながらも4月15日にはクラウドファンディングを開始。

まだ資金が十分に集まっているわけではありませんでしたが、資金が集まるのを待っていられる状況ではありません。現地は「一日水で薄めたおかゆ一杯しか食べられない」という緊迫した状況でした。

わたしたちはこれまで活動を支援してくださったみなさんの顔を思い浮かべながら、「きっと応援くださる方がいるはず。」と一歩を踏み出しました。

現地での食糧調達などを急ぎ、4月22日にはケニアでの食糧配布を開始しました。食糧はトウモロコシ粉、米、粉ミルク、食用油など。配布量は、国連WFPが規定する一人当たりの必要カロリー摂取量や有識者のアドバイス、現地パートナー団体の意見などを元に算出しました。

(クラウドファンディング(募集終了)はこちらからご覧ください。)

約6200人に食糧を届けた

2021年3月までの間に、1031世帯、約6200人の方に食糧を支援を届けることができました。

一度の配布は50世帯から150世帯ほど。2020年4月から2021年3月までの間に、複数回にわたって実施されました。配布時は世帯をグループに分けたり、時間差で受け取りに来てもらうなどを工夫し、感染予防に努めました。地域での配布時には、現地のHIV陽性者によるボランティアたちが自主的に配布活動を担う場面もありました。

また、配布する食糧は現地パートナー団体が見積をとり適正な価格と品質に配慮して購入されました。配布後は、迅速にPLASスタッフにメールや電話、写真等で報告され、協力して進めることができました。

食糧支援を受けたご家族の過去のレポートはこちら

>>ケニアレポート | 食糧支援が守った命、3家族のロックダウン①

>>ケニアレポート | 食糧支援が守った命、3家族のロックダウン②

>>ケニアレポート | 食糧支援が守った命、3家族のロックダウン③

 

 

前編はここまでです。後編では、感染症予防活動についてや現地からの声、今後の展望をお届けします。

 

皆様からの温かいご支援に、重ねまして感謝申し上げます。

 

PLASはこれからも、みなさんとご一緒にお母さんや子どもたちの未来を支えていきます。

是非、継続的に活動を応援、支援してくださる方がいらっしゃいましたら、PLASのマンスリーサポーターをご検討いただけますと幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

https://www.plas-aids.org/support/monthlysupporter

 

☆PLASのこれまでの緊急支援について

 

2020年4月

ーケニアにて90世帯に1か月分の食糧・石けんの支援をとどける

ーケニアにて14の村、14か所に手洗い場を設置

 

2020年5月

ーウガンダにて59世帯に1か月分の食糧・石けんの支援をとどける

 

2020年6月

ーウガンダにて50世帯に1か月分の食糧・石けんの支援を開始、40世帯への支援が完了

ーウガンダにて140世帯に1か月分の食糧・石けんの支援を開始

 

2020年8月

ーケニアにて90世帯に1か月分の食糧・石けんの支援をとどける

ーウガンダにて61世帯に1か月分の食糧・石けんの支援をとどける

 

2020年10月

ーウガンダにて140世帯に1か月分の食糧・石けんの支援をとどける

-ウガンダにて140世帯にマスク配布の支援とどける

 

2020年11月

ーウガンダにて50世帯に1ヶ月分の食糧・石けん・マスクの支援をとどける

ーケニアの地域の小学校15校、ヘルスセンター18施設、病院1施設の計34施設を対象に、感染予防対策の石鹸や手洗い用水タンク、マスク、体温計等を配布

 

2021年2月

ーケニアにて90世帯に1か月分の食糧やマスク配布の支援とどける

ーウガンダにて60世帯に1ヶ月分の食糧・石けんの支援をとどける

ーウガンダにて約200世帯にて1ヶ月分の食料・石けん・生理用ナプキンの支援をとどける