PLASの現地活動ウガンダプロジェクト-BRIGHTプロジェクト-新型コロナウイルス緊急支援現地レポート

手に職をつけ、自立できるように~BRIGHT事業の1年~前編

PLASが手掛けるプロジェクトの1つであるBRIGHT(HIV陽性ユースための技術訓練事業)。

今回はこちらの事業が、この1年コロナ禍において、どのようにすすめられてきたかをご紹介したいと思います。

この事業は、HIV/エイズの影響を大きく受ける地域に暮らすHIV陽性の若者が、自ら未来を切り拓くために必要なスキルを獲得することを目的としています。

ビジネススキルや各種技術スキルの獲得を支援するだけではなく、自己効力感や将来への期待感の向上を目指してプロジェクトを進めてきました。最終的にはプロジェクト参加者がスモールビジネスを立ち上げ、自立することができるまで伴走支援を行います。

 

困難な若者たちのために立ち上げた事業

事業地であるウガンダ共和国は、ヴィクトリア湖を臨む東アフリカの内陸国で、人口は約4千万人。ナイル川の源流が通り、豊かな土地と適度な雨量に恵まれ農業が盛んです。隣国のルワンダやコンゴとの国境にある国立公園では、野生のゴリラを見られるなど、豊かな自然があります。

そんなウガンダには140万人のHIV陽性者が暮らしています。

ウガンダではHIV感染が分かると誰でも治療を開始することができますが、治療の継続には困難が伴います。具体的には、

 

①HIVウイルスは薬剤耐性が起きやすく、治療薬は正しく飲み続けなければならないこと

②人によっては副作用が出ること

③地域には未だにエイズへの差別や偏見が根強く残っていること

 

など、HIV治療を継続するのは大変なことです。

現地では困難な状況にあるHIV陽性の若者の姿を目にします。小学校を中退して、何の仕事にも就けずにいる若者たちや、技術を身に着けたくても、職業訓練校の学費を支払うことができない若者。職業訓練校を卒業しても、就職や起業ができない若者が多くいるのが現状です。

BRIGHTでは、そのような立場に置かれているHIV陽性の若者たちに研修を通して、ビジネスに必要な技術研修を提供しています。若者がビジネスを始めて自立していくまで伴走し、継続した支援を行っています。活動は現地のパートナーNGOと共同で進めてきました。

 

グループによるスモールビジネス活動

まず、プロジェクトに参加した50人の若者の中から地理的に近い人が5人ずつ集まり、計10グループをつくりました。各地域やグループメンバーの特性にあった形で彼らの地元でビジネスを行います。

各グループに対して、月2回ほどの頻度で現地スタッフが個別アドバイスを行います。値段設定等のマーケティングや接客をOJT(現任訓練)で学んだり、うまくいっていること、うまくいっていないことや今後の予定をヒアリングしながら、これまでの振り返りをしたり、ビジネスを軌道に乗せていくためのフィードバックを行います。

畑についても実際に現地スタッフが訪問し、その土地や天候に合った個別のフィードバックを行います。

また、研修をしてきたビジネス技術について、実際にビジネスをやっていく中で分からない点やさらに学びたい点が出てきた際には、集合型の追加研修を行いました。

例えば2020年10月の追加ヘアードレッシング研修では、繁忙期である12月に向けて新しいトレンドの編み込み方法を3種類学びました。2020年12月の繁忙期はコロナ禍であったため例年通りの売上にはなりませんでしたが、半分以上のグループが、ビジネス店舗とメンバーの給与が払える程度の売上を10か月ぶりに記録することができました。

この追加研修は「学び」を得ることだけでなく、10グループが互いに進捗を報告し合い、お互いの成長や奮闘を共有し、さらなるビジネスの躍進に弾みをつけることも目的としています。

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次回はBRIGHT事業が新型コロナウィルス感染症によりどのような影響を受けたかについてご紹介します。

 

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