世代を超えて連鎖する貧困からの脱却を目指し、PLASが新たに立ち上げたSMILE事業ではHIVの治療環境の改善支援だけでなく、薬の飲み方や保健衛生についての一般向けの勉強会も開いています。
今回は、2021年9月7日に行われた勉強会の様子をお届けします。
勉強会の参加者は21人、講師は地元のヘルスセンター職員にお願いしました。勉強会といっても講師が一方的に話す進め方ではなく、参加者からの質問に答えながら必要な知識を身につけてもらう形で進めて行きます。
勉強会の主な内容
1時間ほどの簡単な勉強会なので、薬の飲み方や感染症対策など参加者の日常生活に直接関係していることを抜粋して説明を行いました。
アドヒアランスについて:
感染症は、多くが長期間の治療を必要とするものなので、不調がなくなったと感じても薬を飲むことを止めないこと、また決められた時間に飲むことが大切だということ。それこそがアドヒアランスであること。
HIV/エイズについて:
それぞれの違いを説明し、目標は、HIVに感染していてもエイズを発症させないことで、そのためにもアドヒアランスが大切であること。患者はそれぞれの病気のステータス(陽性か陰性か)を知っておくのが大事であること。
結核について:
治療はHIV/エイズと同じく、アドヒアランスが重要となる。結核の症状は、いきなり体重が落ちる、咳が長いこと続くことなどがあるので、周りに咳を長くしている人がいたらヘルスセンターに報告するか、病院へ行くよう伝えるようにすること。
新型コロナウイルスについて:
ワクチンを今日の勉強会が開かれているヘルスセンターでも打てるため、まだ打っていない人には打ちにくることをすすめる。
衛生の重要性:
家の中を綺麗にすること、特にトイレを清潔に保つことで感染症予防になること。
参加者からの質問
(女性)いつも7時半に薬を飲んでいる人が12時に飲むのはどうなのか。
回答:よくない。時間にはしっかり従わなければならない。
(女性)HIV陽性者の中には薬をお酒で飲む人がいる。これはいいのか(一同笑い)
回答:良くない。お酒で飲んではいけない。
(女性)一日3回一錠とはどういう意味か。
回答:8時間ずつ時間をあけて一錠ずつ飲むことだ
参加者インタビュー
勉強会の終わりに参加者2名から、今日の感想を聞くことが出来ました。
①3人暮らし(自分、夫、赤ちゃん)の女性
学んだこと:
薬の飲み方。どのようにして飲むか。時間や日にちを守ること。ヘルスセンターに来た方がいいこと。
この研修を受けてどうする?:
夫と子どもの世話をしっかりして彼らの健康を守る。(自分自身は?と聞くと、ええーと照れ笑いしてから、ようやく自分の健康も気をつける、と答えが返ってきました。)
②8人暮らし(自分、夫、子ども6人)の女性
学んだこと:
薬を時間通りにのむこと、医者の処方・薬の飲み方の説明に従うこと、薬を安全に保管すること。
この研修を受けてどうする?:
これらを家族や周りの人に伝える。
参加者に男性自体が少なかったこともありますが、今回の勉強会で積極的に質問をしていたのは女性(特に赤ちゃん連れ)で、インタビュー女性も言っていたように、家族の健康を守る気概があるのだと感じられました。
また、子どもたちもよく講義を聞き、講義後どうだった?ときくと「ブルンジ(良かった)!」と答えてくれました。
質問や参加者の感想でも、「薬の飲み方」に集中していた印象を受けましたが、それだけ基本的な薬の飲み方を知らなかったということでもあり、今回参加した21名が正しい薬の飲み方を身につけ、かつ家族や身近な人達に伝えていってもらえると嬉しく思います。
こうした活動が出来るのは日本の皆様の温かい支援のおかげです。
継続的に活動を応援、支援してくださる方がいらっしゃいましたら、PLASのマンスリーサポーターをご検討いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。