ウガンダで実施している「カフェ事業」は、HIV陽性のシングルマザーたちがカフェビジネスをスタートできるよう初期投資や研修、カフェを開店した後のフォローアップを届けています。
現在、CAFE事業4期では4つの村からそれぞれ3人づつHIV陽性のシングルマザーが参加しています。
今回はウガンダ出張中の藤原より、ルウーベ村のカフェママ、ジャッキーのお話をお届けします。
ルウーベ村CAFEチームのピンチ
ルウーベ村のCAFEチームを訪ねると、ここではCAFEは丸4日開店できていない状態でした。
3人いるシングルマザーのうち、1人は故郷で体を壊した母親の介護のためにチームを離れ、もう1人は遠くの親戚のお葬式に行っており、残ったシングルマザー、ジャッキーは具合が悪く月曜からCAFEは閉鎖していました。
お話はできるということでジャッキーのおうちに。
村の外れに向かって曲がりくねった赤土の道を歩くこと15分ほど。途中から小道に入り、煉瓦でできた小さな門をくぐった先、4畳半のコンクリートの部屋を間借りして、25歳のジャッキーは暮らしています。
迎えに出てきてくれたジャッキーは微熱があるのか目が若干潤んでいます。お部屋の中からは赤ちゃんの大泣きする声も聞こえてきました。
「魔術の呪い」って?
ウガンダでは魔術が現在進行形で信じられています。キリスト教徒、イスラム教徒、宗教は様々ですが信心深い人たちが大半を占めます。
「魔術の呪い」は事業を行う中でもしばしば聞く言葉なのです。
ジャッキーは具合が悪く、話によると、月曜に「魔術の呪い」で左上腕から指先まで痛みを伴う腫れがあったとのこと。
私が木曜に訪ねた時には腫れは左手中指の先にしか見えませんでした。おそらくそこにある小さな傷からなんらかの細菌感染をして紅斑が出ているように見えました。
そして、1歳2か月のウィックリーフくんは耳だれ(耳から膿が出る症状)があり、発熱していてずっと機嫌が悪いとのこと。おそらく中耳炎であろう症状です。
(写真)シェイラちゃんに外に連れてきてもらったウィックリーフくん。ほっぺにはさっきまで泣いていた涙のあと。
ウィックリーフくんの面倒を見ているシェイラちゃんはまだ3歳半、脛と言わず腕と言わず虫刺されだらけで鼻水は干からびてお顔に付いており、目もうるみ充血して明らかに発熱しています。こちらはマラリアだろうとのことでした。
(写真)左からウィックリーフくん、ジャッキー、シェイラちゃん。それぞれに具合が悪いです。
シングルマザーたちの奮闘
自分や子どもたちの具合が悪いこと、CAFEをパラソルで行うことの大変さ、3月からの実店舗開店の向け貸店舗を探しているけれどなかなか良い場所が見つからないこと、
コーディネーターのエバリンとユダヤは一つ一つ話を聞き、アドバイスをし、励まします。
ジャッキーは次のように話しました。
「この手だから痛くてCAFEはできないの。最後に開店したのは日曜日。天気が雨でも風でもパラソルの営業は大変。」
「夜間外出禁止令が出ている間は特に大変だった。(夜におかゆが売れるのに)警察が見回りにくるから(売れる時間に店を畳まなくちゃいけない)。でももう解除されたから、いいね。」
「CAFEに入る前は仕事が無かった。子どもたちの面倒をきちんと見たくても見れなかった。入れたのは良いこと。だって今は子どもたちの薬を買うことができる。私は子どもたちの母親であり父親でもあるから。」
事業に参加していても、良いこともあれば、もちろんこのように苦しい状態になることもあります。
常に心身ともにハッピーに事業に参加し、卒業できるのは極めてまれです。
ただ、そんな中でもできる限りコーディネーターたちはシングルマザーたちに寄り添い、進めるよう背中を押し、またシングルマザーたちも立ち上がります。
(写真)コーディネーターのエバリンとユダヤ(写真右)とたくさん話すうちに表情が明るくなってきたジャッキー。
ジャッキーは先週の月曜日に無事復活し、お葬式から帰ってきたエスタと再びCAFEを開店しています。
2人の子どもたちも具合が良くなったそうです。
ルウーベ村でもまた、CAFEのシングルマザーたちの挑戦は続きます。
こうした活動が出来るのは日本の皆様の温かい支援のおかげです。
継続的に活動を応援、支援してくださる方がいらっしゃいましたら、PLASのマンスリーサポーターをご検討いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
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