PLASが手掛けるプロジェクトの1つであるFLOWER(生計向上とキャリアプランニング支援事業)。この事業はJICA草の根協力事業として行なっており、子どもと保護者の未来をつくるためのカウンセリングと、農業支援による生計向上を行なっています。
プロジェクトを行っているケニアのビタへ、海外事業アシスタントマネージャーである藤原が出張しています。
前回のレポートでは、現地パートナー団体VIAGENCOの事務所に到着したロバをご紹介しました!現在、支援している50家庭の半数、およそ25家庭にロバが配布されています。
前回の記事はこちら↓
今回は出張先のケニアより、ロバが配布されているうちの一家庭へ訪問した時の様子をお届けします。
わが家へようこそ!
ジョイスさんは3人の子どもを持つお母さんです。娘のナオミちゃんは、4月から初等教育8年生(初等教育最終学年)に進みます。
農地のフェンスを開けて案内してくれた先には、たくさんの種類の木と野菜が植えられた畑がありました。
農業研修では、ジョイスさんの畑をお借りして実施しています。スクマウィキ(ケール)、豆、オスガ(葉野菜)、サツマイモ、トマト、キャッサバ、デク(葉野菜)、パパイヤの木、ドゥエレの木など、たくさんの野菜や植物が育っています。
ロバが健康な畑の維持をお手伝い
毎朝、ロバの背中に20Lのポリタンクを4つ下げて、湖まで水を汲みに行きます。
この日の水汲み当番は春休み中のナオミちゃんでしたが、訪問した時間は薪を取りに行っていたようです。水道や電気、ガスなどインフラの整っていないビタでは、子ども日々の生活を手助けしているのが現実です。
水汲みを2往復行い、タンク8つ分を使ってくまなく水撒きをすることが健康な畑を保つ秘訣だとジョイスさんは言います。
農業研修で修得したスキルをフル活用!
支援対象の家庭では小さなビジネスをいくつも掛け持ちし、生計を維持してきた家庭が大多数です。ジョイスさんは水草を使ったマットを作成し、生計向上に加えています。
ビクトリア湖に分け入って胸まで水に浸かり、太い葦のような水草を刈ってきて、縦に割いた水草を畑の横の地面に綺麗に並べて干しています。干し終わったら、編んでマットにします。
マット用の干し草の向こうには、ジョイスさんが農業研修で習った「列と適切な植物間スペース」を維持した、とうもろこし畑がありました。
闇雲に植えていた時よりも、収穫量の増加を期待できそうです?
水草から作るマットは大切な収入源のひとつであり、これからフェンス内の畑で作物がより収穫できるようになったとしても、ジョイスさんがマット作りをやめることはおそらくないでしょう。
ビクトリア湖には危険がいっぱい!
ジョイスさんが水草を調達するビクトリア湖には魚が豊富にいますが、そのほかにカバもワニもいます。ワニがいる岸辺は少し離れていますが、カバは年間死者約500人を出す非常に危険な動物です。(2021年のヒグマとの死亡事故は4件です。)
「カバ?もちろん会ったことあるわよ。」と話すジョイスさん。
胸まで水に浸かり、あまり身動きの取れない状況で危険な動物に相対するーー。
ジョイスさんには水草を取って多くのマットを作ってほしいですが、「安全な方法で生計を立ててほしい」ということもまた、PLASの願いです。
いきなり暮らし方を変えるのではなく、現地の暮らしに寄り添いながら、PLASの「つくる」支援はつづきます。
こうした活動が出来るのは日本の皆様の温かい支援のおかげです。
継続的に活動を応援、支援してくださる方がいらっしゃいましたら、PLASのマンスリーサポーターをご検討いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
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