PLASの現地活動ケニアプロジェクト-FLOWER現地レポート

ケニアレポート|「なぜ私だけ?」少女の疑問が解けるとき

PLASが手掛けるプロジェクトの1つであるFLOWER(生計向上とキャリアプランニング支援事業)。この事業はJICA草の根協力事業として行なっており、子どもと保護者の未来をつくるためのカウンセリングと、農業支援による生計向上を行なっています。

今回は、現地パートナー団体にてカウンセラーであるエマと、ある少女のお話です。

 

 

カウンセラーと少女の出会い

少女は13歳、小学7年生で、シングルマザーのアンさん、姉と兄の4人で一緒に暮らしています。

 

ある日、カウンセラーのエマは、カウンセリングセッションのために少女が通う学校を訪れました。しかし、少女は学校のどこにも見当たらず、エマは家を尋ねてみることにしました。

エマが少女を見つけると、少女は「病院に行っていたの」と言うのです。エマが「病気なの?」と尋ねると、彼女は違うと言います。これが、エマと少女の最初の出会いでした。

(写真:小学校で出会った子供たち)

 

 

課題を紐解くカウンセリング

最初のうちはなかなか心を開いてもらうのが難しく、少女がエマに自分の話をすることが難しい時期もありました。しかし、時を重ねるごとにさまざまなことを話してくれ、時には「秘密」を教えてくれることもありました。エマは、少しずつ少女が変化していくことを感じたと言います。

 

さて、冒頭の少女の通院に話は戻ります。

少女は体調が悪くなくても、薬を受け取りに病院へ行き、「なぜ自分だけが薬を飲むのだろう?」と思っていたそうです。それが彼女の不満でもありました。

病院でなぜ自分が薬を飲むのかを聞いても、「それはお母さんに聞くように」と言われ、母親に聞いても薬について教えてもらえない、という状況だったそうです。

 

カウンセリングセッションでは子どもとのコミュニケーションスキルについても扱います。保護者のアンさんもカウンセリングセッションをする中で、子どもとの積極的なコミュニケーションスキルについて学び、自身のこれまでの行動などを振り返っていきました。

 

カウンセラーのエマから、娘が感じている通院についての不安や疑問を共有したところ、アンさんは「娘に知らせるべき情報を伝えていなかったことが問題だった」と話すようになりました。

そこで、エマは少女と保護者のアンさんが対話するための時間を作ったのです。

(写真:エマがカウンセリングをしているところ)

 

 

 

 

少女の疑問とHIV陽性に寄り添う

カウンセラーのエマはHIVに関するカウンセリングの専門性を持っており、親子の対話をサポートしました。少女とアンさんは、親子でHIVの母子感染について学び、少女のHIV陽性について初めて話をすることができました。

後日、アンさんに話を聴いてみると、カウンセリングセッションで学んだ事、感じたことを話してくれ、このプロジェクトに満足していると伝えてくれました。少女は、「こうしてHIVについて知ることができ、そのプロセスに寄り添ってくれたPLASチームに感謝している」と話してくれました。

少女の夢は、将来、看護師になって人々の命を救うことだそうです。そのために努力していくと、前向きに語ってくれました。

(写真:小学校の時間割)

 

 

こうした活動が出来るのは日本の皆様の温かい支援のおかげです。

継続的に活動を応援、支援してくださる方がいらっしゃいましたら、PLASのマンスリーサポーターをご検討いただけますと幸いです。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

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